「マンション管理費横領」続発!11億円を使い込んだ理事長も (※写真はイメージです/PIXTA)

マンション管理組合は面倒くさいから、かかわりたくない――。そう思って丸投げしていたら、とんでもないしっぺ返しを食らうかもしれません。実は、不正を働くマンションの管理責任者が増えています。※本連載は、松本洋氏の著書『マンションの老いるショック!』(日本橋出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

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最終的には管理組合が未収金の回収を行う

■管理等滞納の問題

 

マンションの管理に要する費用負担は、区分所有法第19条で「各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持ち分に応じて、共用部分の負担に任じ、共用部分から生ずる利益を吸収する。」と規定しています。

 

各組合員から毎月徴収する管理費や修繕積立金、駐車場使用料、駐輪場使用料などの滞納は長期化すると回収が困難になる場合があります。

 

また、長期化することで、管理組合の資金が圧迫されて、修繕など管理組合業務に支障が出るばかりではなく、真面目に支払っている組合員から不公平感が生まれ滞納するか組合員が増えることになりかねません。

 

未収金の徴収については、迅速な積極的な対応が必要なことは言うまでもありません。また、マンションによっては、滞納の遅延損害金の利率等を規定していないマンションもありますが、消費者契約法9条2号の規定や国税の遅延損害金と同じ年利14.6%を規定しているマンションが多いように思います。

 

遅延損害金の規定とともに標準管理規約第60条2項では「違約金としての弁護士費用並びに督促費用及び徴収の諸費用を加算して、組合員に請求できる。」という規定があります。

 

マンションの管理標準指針では、管理費等の滞納状況の把握にかかる管理組合の「標準的な対応」として「未収金明細書等の滞納住戸が把握できる会計書類を作成していると。」しています。その会計書類については、管理会社が作成しているマンションが一般的です。その会計書類の取り扱については、プライバシーや個人情報に充分に配慮することが必要です。

 

ですから、理事会議事録を全戸に配布している管理組合や総会などで会計資料として未収金の報告する場合には、その滞納者が特定されないように配慮が必要です。

 

管理会社は管理委託契約書に基づいて管理費等の督促を行いますが、その督促する期間は永遠ではありません。標準管理委託契約書の別表第1事務管理業務②管理費等の滞納者に対する督促では、

 

一 毎月甲の組合員の管理費の滞納状況を甲に報告する。
二 甲の組合員が管理費等を滞納した時は最初の支払期限から起算して、○月の間、電話若しくは自宅訪問又は督促状の方法により、その支払の督促を行う。
三 二の方法により督促しても甲の組合員がなお管理費を支払わないときは、乙はその業務を終了する。

 

としています。

 

ですから、最終的には管理組合が未収金の回収を行うことになります。

 

管理組合が督促業務を行うフローチャートは次のとおりです。

 

 

 

■監事の役割

 

監事の責任は思いのほか重大です。監事は理事ではないので理事会に出席しても議決権はありませんが、標準管理規約第41条関係コメントでは、『理事が総会に堤出しようとする議案を調査し、その調査の結果、法令又は規約に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときの総会への報告が含まれる。』という重要な役割があります。

 

標準管理規約では監事を置くことが規定されています。管理組合役員のうち監事は管理組合の会計に関することと理事会の業務執行について監査する役割を負っています。平成28年3月の標準管理規約改正で従来は『……することができる。』としていましたが、監事による監査機能の強化のため理事会への出席義務を課すともに、必要があれば、意見を述べなければならないとしたものであります。また、具体的な報告請求権と調査権を定めています。

 

下記に、昨年改正された『標準管理規約』第41条(監事)を記載しましたので、ご参考にしてください。

 

(監事)
第41条 監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査し、その結果を総会に報告しなければならない。
2 監事は、いつでも、理事及び第38条第1項第二号に規定する職員に対して業務の報告を求め、又は業務及び財産の状況の調査をすることができる。
3 監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認めるときは、臨時総会を招集することができる。
4 監事は、理事会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。
5 監事は、理事が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令、規約、使用細則等、総会の決議若しくは理事会の決議に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を理事会に報告しなければならない。
6 監事は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、理事長に対し、理事会の招集を請求することができる。
7 前項の規定による請求があった日から5日以内に、その請求があった日から2週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監事は、理事会を招集することができる。

 

 

 

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松本マンション管理士事務所 代表
東京都マンション管理士会城東支部 事務局長
 マンション管理士

1954年、東京都目黒区生まれ。

不動産会社、商社系マンション管理会社に勤務。

2005年、マンション管理士事務所を開業。

管理業務主任者、宅地建物取引士、測量士補などの資格を所持。著書に『買ったときより高く売れるマンション』(アーク出版)などがある。

著者紹介

連載データから学ぶ「マンション管理組合」運営

マンションの老いるショック!データから学ぶ管理組合運営

マンションの老いるショック!データから学ぶ管理組合運営

松本 洋

日本橋出版

分譲マンションは現在、「区分所有者の老い」「建物設備の老い」という二つの老いの問題を抱えています。 本書では、国土交通省から公表されているデータや、筆者のマンション管理士としての経験から得た知識を基に「マンシ…

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