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防災に関するマンション管理組合の役割
防災に関する業務としては、まず、消防法に定められた事項を確実に実施することが第一歩となります。具体的には、防火管理者の選任と消防計画の作成、消火・通報・避難の訓練、消防用設備等の点検を実施することが必要です。
国土交通省から公表されている「マンション管理標準指針」では防災対策として次に記載する7項目を管理組合の「標準的な対応」として掲げています。
(ア)防火管理者の選任
消防法の義務付けの対象は、居住者数50人以上のマンションとなっていますが、これに達しない規模のマンションでも同様の対策を講じておくべきです。
(イ)消防計画の作成及び周知
消防計画については、住民全員に確実に周知することも不可欠です。
(ウ)消防用設備等の点検
■機器点検(半年に1回)
消防用設備等の機器の適正な設置、損傷などの有無、そのほか主として外観から判断できる事項および機器の機能について簡易な操作により判別できる事項を消防用設備等の種類などに応じ、告示に定める基準に従い確認します。
■総合点検(1年に1回)
消防用設備等の全部もしくは、一部を作動させ、または当該消防用設備等を使用することにより、当該消防用設備などの総合的な機能を消防用設備等の種類などに応じ、告示で定める基準に従い確認します。
(エ)災害時の避難場所の周知
災害時に避難場所や災害発生時の避難などの対応の手順や実施体制を明らかにして確実に周知することが望まれます。
生命、身体、財産を守るためには欠かせません。
(オ)災害対応マニュアル等の作成・配布
発災時の対応については、消防計画で明らかにされている場合もあると思われますが、そうでない場合は別途作成し配布する必要があります。
(カ)ハザードマップ等防災・災害対策に関する情報の収集・周知
災害発生時に安全に避難できるよう、想定される被害状況や避難所の位置・経路等を記載したハザードマップを行政が作成・配布する必要があります。こうしたものも含めて行政等が提供している「防災・災害対策に関する情報」を積極的に入手し、住民に周知することも重要です。
(キ)年1回程度定期的な防災訓練の実施
避難訓練の頻度については、法令上の定めはないが、年に1回を目安に定期的に行うことが必要だと考えます。ただし、飲食店等が入っている複合用途防火対象のマンションの場合には、消防法により年2回以上の実施が義務付けられています。消防法でいうマンションは、標準管理規約の「複合用途型マンション」の定義とは異なりますので注意が必要です。