SBI証券の個人型確定拠出年金(通称『iDeCo(イデコ)』)の手数料を、開始・運用中・給付時の3つのタイミングに分けて、FP資格を持つ証券会社出身のSGO編集者が解説します。また、スイッチング手数料や運用指図者になったときの手数料についてもお伝えします。
SBI証券のiDeCo(イデコ)手数料…3つのタイミング別にやさしく解説

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「貯蓄から投資へ」の流れのなか、個人型確定拠出年金(通称『iDeCo(イデコ)』)に加入する人が増えています。

 

iDeCoの実施機関である国民年金基金連合会の調べでは、加入者は2024年8月時点で340万人を突破。加入条件が緩和される動きがあるなか、チェックしたい項目の一つが「手数料」です。

 

本記事では、iDeCoの口座数1位で、本サイトでもおすすめの「SBI証券」のiDeCoの手数料について、初心者にわかりやすく解説します。

 

「SBI証券でiDeCoを始めようと考えているけれど、手数料はいくら?」

「そもそもiDeCoの手数料には、どんなものがあるの?」

 

と疑問に思っている方は、ぜひ参考にしてください。最後まで読むと、SBI証券のiDeCoの手数料のことが一気に理解でき、納得した状態で運用を始められます。

 

はじめに:iDeCo(イデコ)の手数料について

イデコの手数料の概要
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

iDeCoの手数料についてまず知っておきたいことは、

 

  1. 金融機関に関係なく必ずかかる手数料
  2. 金融機関によって異なる手数料

 

の2種類があるということ。iDeCoは国の年金制度の一種なので、金融機関が自由に決めることはできません。

 

そのため、“金融機関が独自に決められる手数料”がなるべく安い証券会社や銀行を選んでコストを最小にすることがiDeCoを始めるうえで重要になります。

 

結論から伝えると、SBI証券はiDeCoの手数料で最も差別化しやすい「(毎月の)運営管理手数料」が無料なので、最小のランニングコストで運用できます。

 

SBI証券のiDeCoのプランには「セレクトプラン」と「オリジナルプラン」の2種類があります。しかし、2023年4月までに商品数を35本以下にするように定められたことから、オリジナルプランは2021年1月で新規の受付を停止。

これから始める場合は、セレクトプラン一択です。そのため、本記事では「セレクトプラン」について解説します。

 

次章から詳しく解説していきます。

 

iDeCoの加入者数 No.1

SBI証券のイデコ口座を開設する

 

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【一覧】SBI証券のiDeCoの主な手数料

SBI証券のイデコ手数料一覧
(引用:SBI証券)

 

まずは、SBI証券のiDeCoで最低限押さえておきたい手数料(税込)を確認しておきます。iDeCoを取り扱っている金融機関の最安と最高の手数料も載せているので、参考にしてください。

 

■SBI証券のiDeCoの主な手数料

  加入時
(初回のみ)
運営管理
手数料
(毎月)
口座管理手数料(毎月) 給付時
(その都度)
移換時
手数料
積立あり
(掛金拠出者)
積立なし
(運用指示者)
SBI証券 2,829円 0円 171円 66円 440円 4,400円
最安 共通 0円 171円 66円 385円 0円
最高 共通 440円 589円 484円 440円 4,400円

※内訳は、国民年金基金連合会に105円、事務委託先金融機関に66円

 

ご覧のように、SBI証券のiDeCoは、運営管理手数料が0円で、口座管理手数料(積立あり)も171円と最安です。この毎月のわずかなコストの差が、最終的な運用成果を高めることにつながります。

 

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1. SBI証券のiDeCo開始時にかかる手数料

SBI証券でイデコを始めるときにかかる手数料
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

iDeCoに加入するときは、「加入時手数料」が必要です。

 

1.1.「加入時手数料」は2,829円

SBI証券でiDeCoを始めるときは、加入時手数料として、iDeCoの実施機関である「国民年金基金連合会」に初回のみ2,829円を支払います。

 

どこの金融機関でiDeCoを始めても加入時手数料は必ず発生し、金額も同じです。

 

2. SBI証券のiDeCo運用中にかかる手数料

SBI証券のイデコ運用中にかかる手数料
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

今度は、SBI証券でiDeCoを運用しているときにかかる手数料について解説します。他社と差別化できる数少ない手数料なので、しっかり押さえておきましょう。

 

2.1.「運営管理手数料」は無料

運営管理手数料はiDeCo口座を開設した金融機関に毎月払う手数料で、口座選びで最も重要な項目です。高いところでは毎月440円かかりますが、SBI証券の運営管理手数料は無料となっています。

 

20歳から60歳まで最大40年間、iDeCoに加入した場合の運営管理手数料を比較してみましょう。

 

■運営管理手数料の比較

  10年 20年 30年 40年
SBI証券
(0円)
0円 0円 0円 0円
440円の場合 52,800円 105,600円 158,400円 211,200円

 

ご覧のように、無料の場合と毎月440円かかる場合を比較すると、30年間加入した場合で158,400円、40年間加入した場合で211,200円の差があります。

 

このコストの差の分だけ実質的に利益が増えることになるので、迷うことなく運営管理手数料が無料の金融機関を選びましょう。

 

なお、5章では、運営管理手数料が無料のおすすめ金融機関を紹介しています。

 

 

2.2.「口座管理手数料」は原則171円

毎月かかる口座管理手数料は、iDeCoの掛金を拠出して積み立てをしている場合とそうでない場合と異なります。多くの方は「掛金を拠出する」に該当しますが、念のため両方のケースを紹介します。

 

① 掛金の拠出をする場合

掛金の拠出をする場合のSBI証券の口座管理手数料は、171円です(支払先の内訳は、国民年金基金連合会に105円、信託銀行に66円)。高いところでは589円かかる金融機関もありますが、SBI証券の口座管理手数料は主要ネット証券に並んで最安となっています。

 

iDeCoに40年間加入して掛金を拠出した場合の口座管理手数料を比較してみましょう。

 

■口座管理手数料の比較

  10年 20年 30年 40年
SBI証券
(171円)
20,520円 41,040円 61,560円 82,080円
589円の場合 70,680円 141,360円 212,040円 282,720円

 

ご覧のように、30年間拠出した場合で150,480円(=212,040円-61,560円)、40年間拠出した場合で200,640円(=282,720円-82,080円)の差があります。

 

毎月の差額は481円(=589円-171円)ですが、iDeCoのような長期の運用になると、大きなコストの差となることがわかります。

 

② 掛金の拠出をしない場合

掛金の拠出をしない場合のSBI証券の口座管理手数料は、信託銀行に払う66円だけです。

 

■掛金を拠出しない場合とは?

iDeCoは毎月5,000円以上の掛金を拠出する必要があります(原則60歳まで)。ただし、60歳以降もこれまで積み立てた掛金を最大75歳まで「運用指示者」として運用し続けることができます。

また、失業などの理由で掛金の拠出が困難になった場合も、一時的に掛金の拠出をストップし、運用指示者になることができます。

 

 

2.3.「引き落とし口座手数料」は無料

SBI証券のイデコ引き落とし口座手数料は無料
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

SBI証券のiDeCoは、毎月の掛金を金融機関から引き落とすときの手数料はかかりません。

 

なお、SBI証券で口座振替が可能な金融機関は、以下より確認できます。

SBI証券のiDeCoで口座振替可能な金融機関

・都市銀行、地方銀行、第二地方銀行
・信託銀行(三菱UFJ信託銀行、みずほ信託銀行、三井住友信託銀行)
・SBI新生銀行、あおぞら銀行
・ゆうちょ銀行
・信用金庫、信用組合、労働金庫
・信用農業協同組合連合会(信連)、農業協同組合(農協)
・住信SBIネット銀行
・PayPay銀行
・楽天銀行
・イオン銀行
・auじぶん銀行
・ソニー銀行


※はネット銀行のため、銀行への届出印がない場合は金融機関届出印の押印は不要

 

2.4.「スイッチング手数料」は無料

スイッチングとは、現在保有している運用商品を売却・解約して、他の運用商品に乗り換えることをいいます。

 

スイッチングのイメージ図
(引用:SBI証券)

 

スイッチング手数料はかかりませんが、運用商品によっては、解約時に「信託財産留保額」という費用がかかります。ただしこれは、iDeCoの金融機関に払うものではなく、“迷惑料”として売却するファンドの運用会社に残す金額のことをいい、厳密には手数料とは異なります。

 

 

2.5.「信託報酬」は商品固有の手数料

信託報酬は商品固有の手数料
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

信託報酬は、投資信託の運用や管理にかかる手数料のことで、iDeCo口座を作った金融機関(SBI証券)に払うのではなく、その投資信託を実際に運用している会社に払います。

 

運用会社が商品ごとに決めているので、どこの販売会社(証券会社や銀行)で買っても、信託報酬は変わりません。

 

ちなみに信託報酬は、インデックスファンド(日経平均株価などの指数に連動した値動きを目指す投資信託)の場合は0.1~0.2%程度のものが多くなっています。一方、アクティブファンド(指数を上回るパフォーマンスを目指す投資信託)の場合はファンドマネージャーの人件費などもかかるため、1~3%程度とやや高めです。

 

iDeCoの「運営管理手数料」が無料

SBI証券のイデコ口座を開設する

 

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3. SBI証券のiDeCo給付時にかかる手数料

SBI証券のイデコ給付時にかかる手数料
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

まだあまり気にする必要はありませんが、60歳以降にiDeCoを受け取るときの手数料も把握しておきましょう。

 

3.1.「給付時手数料」は1回あたり440円

給付時手数料は、iDeCoで運用した資産を受け取るときにかかる手数料のことです。SBI証券の場合、給付の都度に440円かかります。

 

なお、iDeCoの受取方式には次の2パターンがあります。

 

  1. 年金方式:一定の金額を定期的に受け取る方法
  2. 一時金方式:一括で受け取る方法

 

年金形式の場合は1回の給付ごとに440円かかりますが、一時金方式の場合は一度440円払えば、それ以上の手数料がかかることはありません。

 

そのため、給付時手数料のことだけを考えると一時金方式で受け取ったほうがコストは安く済みます。

 

4. SBI証券のiDeCoでかかるその他の手数料

SBI証券のイデコでかかるその他の手数料
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

SBI証券のiDeCoの手数料について、「開始時」「運用中」「給付時」の3つのタイミング別に見てきました。

 

ここでは、いざというときに役に立つその他の手数料を2つ紹介します。頭の片隅に入れておきましょう。

 

4.1. 「還付手数料」は合計1,488円

SBI証券のイデコ還付手数料
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

iDeCoは原則として、国民年金を払っている人が加入できる制度です。そのため、加入資格を喪失した方や国民年金を未納した方が、iDeCoの掛金を拠出することはできません。

 

iDeCoの加入資格がないにもかかわらず掛金を拠出した場合は、その月の掛金から「還付手数料」を差し引いた金額が還付(返金)されます。

 

なお、還付手数料は合計1,488円で、国民年金基金連合会に1,048円、事務委託先金融機関に440円を支払います(SBI証券への還付手数料660円は2022年6月1日より無料化)。

 

 

4.2. 「移換時手数料」は4,400円

SBI証券のイデコ移換時手数料
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

iDeCo口座は1人1口座しか作れません。やむを得ない理由で他社のiDeCo口座に変更するときにかかるのが「移換時手数料」で、SBI証券の場合は4,400円かかります。

 

移換時手数料は無料の金融機関もありますが、口座開設時に移換することを前提でiDeCo口座を作る人はいないので、頭の片隅に留めておくだけで大丈夫です。

 

国内株式取引シェアNo.1

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5. 運営管理手数料が無料のiDeCoおすすめ口座

運営管理手数料が無料のイデコおすすめ口座
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

ここまでは、SBI証券のiDeCoの各種手数料について解説してきました。

 

繰り返しになりますが、iDeCoの口座選びは、運営管理手数料が無料の金融機関を選ぶことが大切です。無料の場合と毎月440円を払う場合とでは、20年間で105,600円、30年間で158,400円のコストの違いがあります。

 

そこで本章では、運営管理手数料が無料のiDeCoおすすめ金融機関を紹介します。iDeCoの口座選びで迷ったら、SBI証券を筆頭にこのなかから選んでおけば、コスト面で不利になることはありません。

 

■iDeCoおすすめ金融機関ベスト5

順位 口座 iDeCo
口座数
取扱い
銘柄数
インデックス
ファンドの数
1位 SBI証券(セレクトプラン) 90万 38本 17本
2位 楽天証券 86万 36本 14本
3位 松井証券 1万 40本 25本
4位 マネックス証券 非公表 28本 16本
5位 イオン銀行 8万 24本 10本

※ 2024年6月時点

 

詳細は次の記事で解説しているので、参考にしてください。

 

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6. よくある質問

SBI証券のイデコ手数料に関するQ&A
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

最後に、SBI証券のiDeCoに関するよくある質問に3つ回答します。

Q1. iDeCoで「手数料負け」をすることはありませんか?

口座管理手数料が毎月必ず171円かかるので、元本確保型の定期預金(あおぞらDC定期)でiDeCoの運用をする場合は金利が0.03%しかつかず、手数料のほうが高くなります。

 

ただし、iDeCoで節税できる金額を考慮すると、定期預金で運用してもトータルで元金が減ることはありません。

 

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Q2. SBI証券のiDeCoでおすすめの商品を教えてください。

「全世界株式「米国株式」「先進国株式」がおすすめです。具体的な銘柄については、次の記事で紹介しています。

 

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Q3. SBI証券のiDeCoでおすすめの引き落とし口座を教えてください。

SBI証券のiDeCoで掛金を引き落とすときにかかる手数料は無料です。そのため、SBI証券で口座振替が可能な金融機関であれば、どこを設定しても変わりません。

 

しかし、SBI証券の総合取引口座で株式取引をするときのことを考えて、口座を連携すると銀行の残高を証券口座の買付余力に反映できる「預り金自動スィープサービス」が使える住信SBIネット銀行に設定しておくと便利です。

 

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7. まとめ

SBI証券のイデコ手数料まとめ
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

この記事では、SBI証券のiDeCo(セレクトプラン)の手数料に焦点を当てて解説しました。

 

SBI証券のiDeCoは運営管理手数料が無料なので、最小のランニングコストで始められます。それに加えて、業界最低水準の運用コストを目指し続けることで人気の「eMAXIS Slim(イーマクシス)」シリーズも投資信託を8本扱っており、商品固有のコストも抑えられます。

 

どこの金融機関で何の商品で運用するかで、将来あなたが受け取るiDeCoの年金額も大きく変わります。コストにも意識を向けて、賢く資産形成をしましょう。

 

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