(※写真はイメージです/PIXTA)

マンションの大規模修繕工事に必要な修繕積立金の不足は、本来あってはならないことですが、現実には多く起きている。ある調査によると実に3割弱のマンションで積立金不足であるという。それはなぜなのか、そして足りないことが判明したとき、どのような対策が考えられるのか。※本連載は、松本洋氏の著書『マンションの老いるショック!』(日本橋出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

修繕積立金の見直しは3つの方法がある

このガイドラインが公表されたことにより管理組合等による長期修繕計画の内容の理解やチェック等が容易にできるようになりました。また、長期修繕計画に設定する推定工事項目のもれによる修繕積立金の不足を防ぐため、長期修繕計画において、計画的に見込まれる修繕工事などの部位、工事等による項目の標準的な「推定修繕工事項目」が示されました。

 

これによりまた、管理組合は、ガイドラインを参考としてその業務を専門家(管理会社、建築士事務所等)に委託(管理委託契約に明記することも含む)して、作成された長期修繕計画の内容をチェックすることができるようになりました。

 

その結果、長期修繕計画を見直すと、今までの長期修繕計画と乖離が著しい場合に、現在の修繕積立金の額が計画の作成時点において推定した増加額以上に金額が増える場合がありますので特に留意する必要があります。したがって、長期修繕計画を作成又は見直した管理会社等の専門家は、説明会を開催して、組合員に十分に説明することが必要です。

 

修繕積立金の見直しの方法として、3種類あります。

 

①一時金の徴収……大規模修繕工事の時に1世帯当たり数十万円を徴収する方法。

 

②段階増額方式……初期の修繕積立金の金額を抑えるために段階増額積立方式は数年ごとの単位で徴収する修繕積立金があがる方式。

 

③均等積立方式……最初から、均等(同じ金額)で積み立てるので、途中で修繕積立金の金額に変更がない方式。

 

松本 洋
松本マンション管理士事務所 代表

 

 

マンションの老いるショック!データから学ぶ管理組合運営

マンションの老いるショック!データから学ぶ管理組合運営

松本 洋

日本橋出版

分譲マンションは現在、「区分所有者の老い」「建物設備の老い」という二つの老いの問題を抱えています。 本書では、国土交通省から公表されているデータや、筆者のマンション管理士としての経験から得た知識を基に「マンシ…

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