「合同会社」の出資持分の評価方法
合同会社の社員(出資者)が死亡した場合は、相続人が出資持分の払い戻しを受けるか出資持分を承継します。払い戻された出資持分や承継した出資持分は、いずれも相続税の課税対象になります。
■出資持分が払い戻される場合
合同会社の社員が死亡した場合は、原則として相続人が出資持分の払い戻しを受けます。相続税の計算上は、出資持分の払戻請求権として評価します。
具体的には、合同会社のすべての資産の相続税評価額からすべての負債を引いた金額に持分の割合をかけた金額となります。資産と負債の金額は社員の死亡日時点のもので計算します。
なお、合同会社から払い戻される金額には、出資の元本にあたる払戻請求権に加えて、出資から払戻までの間に得た利益の蓄積部分もあります。この利益の蓄積部分は「みなし配当」として死亡した被相続人の所得になり、被相続人の準確定申告の対象になります。
また、この利益の蓄積部分は源泉徴収税額が差し引かれて払い戻されるため、相続税申告では源泉徴収税額を引いた金額で評価します。
■出資持分を承継する場合
定款に出資持分の相続についての定めがあり出資持分を承継する場合は、出資持分の価額は取引相場のない株式の評価方法に準じて評価します。
【まとめ】
合同会社は、株式会社に比べて設立や運営のコストが低いという特徴があり、資産管理会社に適しています。ただし、相続税対策で合同会社を設立する場合は、社員が死亡した場合の対応を定款で定めておく必要があります。
合同会社を使った相続税対策は、専門家のアドバイスを受けて実行することをおすすめします。
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