不妊治療の末に…31歳女医が辿り着いた「養子」という選択肢

いつまで続くのか分からず、「出口の見えないトンネルのなかにいるよう」とも言われる不妊治療。女医の山下真理子氏も、そんな不妊治療で子供を授かったひとりだという。どのような問題に直面し、どう向き合ってきたのか、医師の立場から語ってもらう本連載。第3回目は「特別養子縁組」で子供を迎えるという選択肢について、当時の心境を交えて解説してくれた。

覚えていた友人の言葉

「特別養子縁組」

 

その言葉と出会ったのは、偶然SNSを開いていた時だった。

 

特別養子縁組の説明会についての広告が、私のタイムラインに流れてきた。

 

「養子」という選択肢は、実は結構前から知ってはいた。児童養護施設で働く臨床心理士の友人が、「いつか子育てしたいと思った時には、養子という選択肢も自分は考えている」と言っていたことがあり、「そんな選択肢もあるんだな」程度に覚えていたからだ。

 

特別養子縁組とは、「実親との親子関係を解消して、要親との間に法律上の親子関係を結ぶ養子縁組」のことを言う。

 

簡単に言うと、子供に恵まれなかった夫婦が、何らかの事情で自身で育てることのできない母親の産んだ子供を引き取り、戸籍上も含めて自分の子供として終生養育するということ。

終わりの見えない不妊治療を続けるよりも…

私のように、不妊治療を続けて、なかなか治療が成功しない夫婦は、たくさんいる。

 

その一方で、「デキてしまったけれど、そんなつもりはなかった」「妊娠したけれど、到底育てるなんて考えられない」「まだ学生で、堕ろすつもりだったのに、気がついたら堕胎できない週数になってしまった」という人もたくさんいる。

 

不妊治療を経験した夫婦は、5.6組に1組。2003年時点では46万人とも言われる。体外受精によって生まれた子供は、18人に1人とも言われる。これは氷山の一角で、受診歴のない「妊活」経験者は、その数十倍にものぼると言われる。

 

一方、2018年度の人工中絶件数は、16万件以上。児童虐待相談件数は、12万件以上。4日に一度程度の割合で、児童虐待死が起こっているという。ちなみに、その半数以上が0歳児で、さらにそのうちの生後0ヶ月(生まれてすぐ)が4割以上と言われる。

 

つまり、子供に恵まれず不妊治療を長く続ける夫婦が何万人もいる一方で、「望まない妊娠」で人工中絶したり、生まれてすぐに「要らない」とばかりに虐待死している子供は、「子供が欲しいけどなかなかできない」と思っている夫婦と同じくらいいるということ。

 

終わりが見えない不妊治療をこの先も続けるより、特別養子縁組で子供を迎えるという選択肢も「アリ」じゃないか。

成功しなかったら養子をもらおう

調べると、特別養子縁組を斡旋している団体は、全国にいくつかある。私はその中のいくつかの団体に問い合わせて資料請求をして、その中の2つの団体の説明会にも参加した。

 

私とパートナーは、「後継」や「血筋」には、ほとんど全くこだわりがない。「子供の性格は遺伝で決まる」と言う人もいるが、それも一つの意見だとは思うけれど、「育てやすいかどうか」「病気があるかどうか」などは、そもそも不妊治療を始める前から、全く気にしていないタイプだった。

 

どんなに大変でも、その子なりの「個性」で、いいところも悪いところもあるはずだから。

京都府立医科大学を卒業後、医師に。医師だけでなくモデルやコラムニストとしても活躍。美容医療に従事しつつ、専門学校にて医療教育にも関わる。
不妊治療を経て、2021年第1子出産。子育てと医師との両立を試行錯誤する一方でビューティージャパン近江大会2021のファイナリストにも選出される。

著者紹介

連載女医の不妊治療体験

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