マンションの大規模修繕は本当に「12年周期」で行うべきか? (※写真はイメージです/PIXTA)

マンションの大規模修繕工事は何年おきに行うべきなのか。一般的には「12年周期」で行うべきとされ、それを推奨する管理会社や工事会社も多い。実際、マンション管理組合や住民はどう考えるべきなのか。※本連載は、松本洋氏の著書『マンションの老いるショック!』(日本橋出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

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いつ大規模修繕をすべきか?…3つの条件とは

どんなに、素晴らしい高級マンションでも経年劣化は避けることができません。

 

築年数が経過すると外壁やタイルなどはもちろんのこと、給排水管などの配管設備も修繕工事を行う必要が出てきます。大規模修繕工事の本来の目的は、建物の性能を竣工時の性能に回復させることですが、より快適な居住空間を作り上げるため防犯設備を強化したり、居住者の高齢化に配慮して手摺をつける、スロープをつけるなどバリアフリー化するグレードアップ工事が必要になります。

 

マンションの大規模修繕工事は、通常の新築工事とは違い、居住者の方々が住みながら行われます。生活している建物が工事現場になるので大規模修繕工事の方法と一般の工事との違いがそこにあります。このように大規模修繕工事は特殊な工事であり、マンションの管理組合にとって、最も大きな仕事となります。

 

■大規模修繕工事の周期

 

マンションも他の物と同様に、完成した時から劣化の道をたどりますので、いずれ修繕等の手を加える必要が生じてきます。

 

そこで修繕は「いつやるのがいいのか?」というご相談のお電話をいただくことは多くあります。一般的には、予防・保全の意味もあって言葉の上では「あまり痛みがひどくならないうちに」と言われますが、修繕実施時期の判断は難しく「何年目だから何の修繕をしなければならない。」と決めつけてしまうことはできません。

 

海に近いマンションは塩害を受けやすいなど、建物の立地によっても異なります。「いつ修繕をしなければならないか?」は、次の3つの要因により、個々の建物により異なってくるものです。

 

①建物の立地条件 ― 塩害を受ける海浜地区、強い風雨を受ける高台、常に震動を受ける鉄道沿いや交通量の多い幹線道路沿いなど、マンションの置かれている環境により異なってきます。

 

②日常的な管理の状態 ― 日頃の点検や修繕・補修・清掃が行き届いているか否かで、建物の耐久性は随分と違ってきます。

 

③社会的要因 ― 法令不適合、社会的環境(省エネ・防犯)、組合員のニーズ(バリアフリー、情報化)により対応する必要があります。

 

以上からもお判りのように、個々のマンションの事情により、計画修繕を実施する時期等については異なってきます。

 

ただ、外壁補修は9~15年、屋根防水は露出アスファルト防水の場合で10~14年などと、過去の多くの修繕事例等から割り出された標準的な修繕周期というものがありますので、将来の修繕計画を定める上で参考にすることができます。

 

松本マンション管理士事務所 代表
東京都マンション管理士会城東支部 事務局長
 マンション管理士

1954年、東京都目黒区生まれ。

不動産会社、商社系マンション管理会社に勤務。

2005年、マンション管理士事務所を開業。

管理業務主任者、宅地建物取引士、測量士補などの資格を所持。著書に『買ったときより高く売れるマンション』(アーク出版)などがある。

著者紹介

連載データから学ぶ「マンション管理組合」運営

マンションの老いるショック!データから学ぶ管理組合運営

マンションの老いるショック!データから学ぶ管理組合運営

松本 洋

日本橋出版

分譲マンションは現在、「区分所有者の老い」「建物設備の老い」という二つの老いの問題を抱えています。 本書では、国土交通省から公表されているデータや、筆者のマンション管理士としての経験から得た知識を基に「マンシ…

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