定期的な点検や計画的な修繕工事が不可欠
■長期修繕計画書の標準様式
マンションの快適な住環境を維持するためには、その建物や設備について、定期的な点検や計画的な修繕工事の実施が不可欠です。
特に、計画的に修繕工事を実施するためには適切な長期修繕計画を作成して、それに基づいて算定した修繕積立金を積み立てておくことが必要です。長期修繕計画は将来予想される修繕工事等を計画し必要な費用を算出し、月々の修繕積立金を設定するものです。
しかし、経年による建物・設備の劣化状況や社会的要求水準の向上及び生活様式の変化、また、新たな材料・新工法開発による修繕周期・単価等の変動、法改正、物価・税率の変動などの不確定な事項について見直しをすることが必要となるので、国土交通省策定のガイドラインによると「5年程度ごとに見直すことが必要」とあります。
既存のマンションの長期修繕計画で見直し時のチェックとしては、国土交通省が策定した、長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン及び同コメントを参考にチェックして不明な点については作成した管理会社の担当者からその理由と説明を求めます。
① 長期修繕計画の構成
「長期修繕計画の構成(例)と長期修繕計画標準様式」と同様の項目が記載されているか。(様式目次)
② マンションの建物・設備の概要など
標準様式と同様な項目が設定されているか。(様式第1号)
③ マンションの調査・診断の概要
標準様式と同様な項目が設定されているか。又は報告の概要が添付されているか。(様式第2号)
④ 長期修繕計画の作成・修繕積立金額の設定の考え方
標準様式と同様な項目と内容が記載されているか。記載されていない場合は理由を確認する。(様式第3-1号)
⑤ 計画期間の設定
新築マンションの場合は、30年以上、既存のマンションは25年以上になっているか。
⑥ 推定修繕工事項目の設定
標準様式と同様な項目と内容が記載されているか。推定工事費が計上されていないときは理由を確認する。
⑦ 修繕周期の設定
標準様式と記載例の周期と比較して、差異が大きい場合には理由を確認する。(様式第3―2)
⑧ 推定修繕工事費の算定
標準様式と同様な内訳書があるか。
⑨ 単価の設定
マンションの改修工事費調査データや積算資料ポケット版マンションReの数字や長期修繕計画案作成の手引きなどと比較して差異が大きい時は理由を確認する。(様式第4 -3号)(様式第4-4号)
⑩ 収支計画の検討
計画期間の推定修繕工事費の累計額より修繕積立金の額が上回っていないか。
⑪ 修繕積立金の額の設定
修繕積立金の金額が、長期修繕計画により算出された計画期間の推定修繕工事費の累計額を基にして算出されているのか。均等積立金方式になっているか。(様式第5号)
⑫ 長期修繕計画の周知、保管、閲覧等
総会に先立ち説明会を開催、さらに、総会決議後長期修繕計画を配布して閲覧できるように保管され、長期修繕計画などの管理運営情報が開示されているか。
※長期修繕計画の表紙には、標準様式には示されておりませんが、作成日・作成した専門家の所属・氏名・連絡先が記載されていることも確認してください。