(※写真はイメージです/PIXTA)

営業方針はまさかの「売るな」。ノルマも売り上げ目標もないというのに、大繁盛? 常識はずれを続けていると、東京のみならず、北海道や沖縄、地球の反対側のブラジルからもお客がやってくるようになったという。浅草かっぱ橋商店街、飯田屋の奇蹟の商売とは…。本連載は飯田結太氏の著書『浅草かっぱ橋商店街 リアル店舗の奇蹟』(プレジデント社)を抜粋し、再編集したものです。

ノルマなし、営業方針はまさかの「売るな」

■僕の人生を変えたシンプルな常識

 

「おまえ、なんでこんな会社にいるの?」
「この先に未来なんてないって!」
「便利でもない商店街まで、わざわざ買物に行かないよ」
「誰もあんたのところで買物しないから」

 

まちの商店街にある店は魅力をなくし、そこで働くこと自体が嘲笑される対象です。

 

「アマゾンなら翌日には届けてくれるし、重い物を持ち帰らなくていいんだよ」
「ショールームみたいに実店舗で実物を見て、ネットで注文する人が増えているよ」

 

まわりの物知りな人たちが最新の〝常識〞を親切に教えてくれます。

 

「実店舗なんて終わったコンテンツだ」と何人からも言われました。

 

そして、さらに詳しい人が教えてくれます。

 

「ノルマがないと、社員なんてサボって働かないよ」
「売上目標がないと、店は成り立たないよ」
「在庫は少しでも速く回転させないといけない」
「モノ余りの時代、人はもうすでにモノを持っているから買わないよ」
「お客様を迷わせないためにも、商品は少ないほうがいい」
「100円ショップでほとんどのものは揃うよ」
「定例会議のない会社なんてあり得ない!」
「朝礼も終礼もあまり意味がないから、やらなくてもいいよ」
「経営はきれいごとじゃないんだよ!」
「経営者は孤独だからね」

 

こうしたことを実際に言われた経験がある方、どこかで聞いたおぼえがある方、もしくは何かで読んだ記憶のある方は多いことでしょう。

 

 

でも、本当にそうなのでしょうか?

 

 

これらは常識なのでしょうか?

 

僕たちの会社にはノルマはありません。

 

これだけ売ろうという売上目標もありません。

 

営業方針はまさかの「売るな」です。

 

積極的に過剰在庫を目指しています。

 

在庫回転率は無視を決め込んでいます。

 

年にたった1個しか売れない商品でも、スタッフ全員で探します。

 

定例会議はもともとありましたが、一切やめてしまいました。

 

飛び込み営業をすると減給になります。

 

お客様に必要のない商品を無理に売りつけたら、それも減給になります。

 

メンバーは「心から売りたいと思う商品以外は売ってはならない」と申し渡されています。

 

アルバイトは年間300万円まで、正社員は500万円まで、部長・課長など役職者は2000万円まで自由に使える裁量権を持っています。

 

朝礼と終礼には、合わせてたっぷり1時間を使います。

 

これほどに僕たちの会社は常識はずれです。

 

しかし、そんな常識はずれを続けていると、東京のみならず、北海道や沖縄、地球の反対側のブラジルからもお客様がやってくるようになりました。

 

信じられないほど売上が伸びていきました。

 

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浅草かっぱ橋商店街 リアル店舗の奇蹟

浅草かっぱ橋商店街 リアル店舗の奇蹟

飯田 結太

プレジデント社

効率度外視の「売らない」経営が廃業寸前の老舗を人気店に変えた。 ノルマなし。売上目標なし。営業方針はまさかの「売るな」──型破りの経営で店舗の売上は急拡大、ECサイトもアマゾンをしのぐ販売数を達成。 廃業の危機に…

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