(※画像はイメージです/PIXTA)

東大合格はテクニックしだい。子どもを東大に合格させたいと考える親が犯す間違いのほとんどが、根性主義への傾倒だという。根性主義一辺倒の親は、子どもに苦手科目があったとき、それを克服するように強要します。苦手科目の克服を強要されると、9割の子どもはその科目を嫌いになりますし、結果的にますます苦手になります。どうすればいいのか。※本連載は、和田秀樹氏の著書『公立・私立中堅校から東大に入る本』(大和書房、2019年2月刊)より一部を抜粋・再編集したものです。

根性重視だけでは社会に出てから苦戦する

また、もちろん、中には根性で東大に合格する生徒も一定数はいます。「東大合格」という意味では、テクニックで合格した人も、根性で合格した人も同じです。

 

問題は、東大卒業後です。根性で東大に合格した人は、社会に出てから圧倒的に苦戦します。「使えない人」が多いからです。

 

それは当然といえば当然です。

 

たとえば、テクニック重視の人と根性重視の人が営業職についたとします。仕事がうまく行かなかったときに、テクニック重視の人は、もっと効率の良いやり方を模索します。セールストークのやり方、商品説明の仕方、アポイントの取り方などを変えれば、劇的に改善する可能性があります。

 

しかし、根性重視の人は、うまく行かないときにも、とにかく根性で乗り切ろうとします。単純に、100軒回っていたのを、1000軒に増やすことで成約件数を増やそうと試みます。

 

しかし、やり方が間違っているのに、いたずらに訪問件数を増やしたところで、成約が増える可能性は低いのが目に見えています。

 

つまり、根性で東大に合格できたとしても、遅かれ早かれ壁に突き当たることになるわけです。

 

私は、テクニックで東大に合格するのは全然悪いことではないし、むしろテクニック重視のほうが将来的にもうまく生きていける人間になれると考えています。

 

ダメだったときにやり方を変えるという発想を、子どもの頃から身につけておけば、社会に出てから何かうまく行かなかったときに、すぐにやり方を変えることができます。

 

同じやり方を何度も繰り返して苦しんだり、自分に才能がないと絶望したりするより、よほど生きやすいと思います。

 

 

和田 秀樹

和田秀樹こころと体のクリニック 院長

 

 

公立・私立中堅校から東大に入る本

公立・私立中堅校から東大に入る本

和田 秀樹

大和書房

教育書を多数執筆し、多くがベストセラーになっている実績をもつ和田秀樹氏の渾身の書。 2020年の入試改革への備えにもふれ、具体的なノウハウを数多く入れた。 いわゆる「地頭のいい子」でなくとも、東大を目指せる、合…

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