「不労所得を得よう」安易に物件を建てる家主の末路
一昔前までは、賃貸物件を建てさえすれば、さして努力しなくても入居者はすぐに決まりました。ところが不動産投資をする人も増え、大幅に物件数が増えた今はそう甘くはありません。数ある物件の中から、自分の物件を選んでもらわなければならない時代になったのです。
そんな状況の中で、「年金代わりに家賃収入を」という営業トークに煽られてたくさん賃貸オーナーが生まれました。「不労所得を得ましょう」と、賃貸経営を軽く考えている投資家もいます。ところが現実には入居者を集めることに苦慮して、思ったほど賃貸収入が得られず、大変な思いをしている家主が続出しているのです。
そういう家主は物件を建てる際に、多額の借り入れをしているケースがほとんどですが、建築側の営業トークによれば、その返済は「家賃収入で賄える」(しかもそれでもお釣りが出る)はずでした。ただし、それはあくまでも、常に空室がなく、さらに入居者から毎月きちんと家賃が支払われることが前提なのですが、そのリスクを想像しなかったという家主は驚くほど多いのです。
同じ1億円でも、株に投資することにはかなり慎重になるはずなのに、賃貸物件への投資となると、なぜか急に甘く考えてしまう人が多い。そう感じているのは、私だけではないはずです。
そういう家主にとって、家賃滞納は一大事です。払えないのなら退去してもらいたいのですが、ことはそう簡単ではありません。前述のように、賃借人の権利が守られているからです。そうなると滞納額は増える一方。最終的には法的手続きに着手してでも、出て行ってもらわねばならないことになります。
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