(※写真はイメージです/PIXTA)

「家賃滞納は普通の人が堕ちる破滅への入り口である。」……2500件以上の家賃滞納トラブルを解決してきた、OAG司法書士法人代表の太田垣章子氏。同氏は書籍『家賃滞納という貧困』(ポプラ社)のなかで、その悲惨な実態を明かしている。

「悪質な家賃滞納者」追い出されないことに味を占め…

堂々と開き直り、家賃滞納を常習としている人がいます。

 

今やネットで情報が溢れ、検索すれば「どうしたら一日でも長く居座れるか」という知恵も簡単に得ることができます。賃貸物件が数少なかった頃に作った法律が未だ受け継がれているので、賃借人保護に偏った裁きをするのもその原因の一つです。

 

それを逆手にとった悪質賃借人は一定数いて、彼らは家賃を払わずして住み続けるのです。滞納したままとにかくぎりぎりまで居座り、また転居して滞納する。それを繰り返している人も多くいます。

 

ところが、悪質な賃借人の情報はクレジットカードの信用情報のように共有されないので、別の不動産屋に行き、違う家賃保証会社の保証を受ければ、また新たな部屋が借りられてしまいます。

 

そのせいか悪質な滞納者は、確実に増えています。しかも謝罪の言葉を口にするどころか、「払えません、それが何か?」と、完全に開き直っている滞納者もとても多いのです。退去日時の約束をしていても、平気で「引越し代金がないから」と言い訳をして、そのまま住み続ける人もいます。

 

そもそも、家賃を払わない人を即追い出す、ということは日本の法律では許されていません。「家主=金持ち、賃借人=貧乏」といった大昔の認識のもと、賃借人の権利が保護され、家主側の権利は、いつも後回しにされてしまうのです。

 

けれどもすべての家主が金持ちだというのは大きな誤解です。

 

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家賃滞納という貧困

家賃滞納という貧困

太田垣 章子

ポプラ社

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