(※写真はイメージです/PIXTA)

「ヘッジファンド」とは、株式市場が上昇局面のときでも下落局面のときでも様々な手法を駆使してプラスの収益を目指すファンドのことです。今回は、個人投資家がヘッジファンドを選ぶときの8つの基準を見ていきます。本連載は、東海東京調査センターの中村貴司シニアストラテジスト(オルタナティブ投資戦略担当)への取材レポートです。

3月末の「ヘッジファンド運用残高」が過去最高を記録

オルタナティブ投資は拡大傾向にあるが、そのなかでも足元のヘッジファンドの運用残高の伸びは目を見張るものがある。

 

米ヘッジファンド・リサーチ(HFR:米シカゴが本社)によれば、2021年1~3月(四半期ベース)の世界のヘッジファンドの資金フローにおいて、60億ドルを超える資金流入が見られた。これにより、3月末時点の運用残高は3兆8000億ドル近くまで拡大し(400兆円を超える水準)、過去最高を更新した。

 

コロナショック後にV字回復を果たしたグローバル株式市場であるが、今後は、ワクチン接種の広がりにより、世界経済の正常化の進展が一段と期待される一方、FRB(米連邦準備制度理事会)によるテーパリング(量的緩和の縮小)やそれに伴う米長期金利の上昇圧力および覇権争いとしての米中の対立激化など難しい相場局面に入っていくことが予想される。

 

そうした環境下だからこそ、過去最高を更新したヘッジファンドの運用残高は、ポートフォリオの一部にヘッジファンドを組み入れることで相場の急変への効果的な対応(特にダウンサイドリスクへの対応)を図ろうとする投資家(主に機関投資家)が増加したことの表れと言えるのではないだろうか。

 

引き続き、4~6月(四半期ベース)のヘッジファンドの運用残高にも注目したい。

個人投資家が「ヘッジファンドを選ぶ8つの基準」

機関投資家だけでなく、個人投資家においても、資産を守りながら長期的に増やしていく一つの投資手法として、ポートフォリオの一部にヘッジファンドを組み入れ、リスク管理を図ることも検討に値しよう。そうした場合、日本の個人投資家はどういった点を重視してヘッジファンドを選別するとよいのだろうか?

 

筆者としては、次の8つの条件をより多く満たすファンドを選別し、ポートフォリオに組み込むことも一案と考えている。参考にしていただきたい。

 

①しっかりとしたトラックレコードがある

②学術的(アカデミック)アプローチを併用し、投資戦略やリスク管理を実施できる運用体制(外部からのアドバイス体制含む)を持つ

③CIOやメインの運用担当者の顔がオープンになっている(情報発信を含む)

④ある程度の投資対象・投資戦略が分散化されている

⑤ドローダウン(最大資産からの下落率)が小さい

⑥相場の急落時にリターンが高く、かつ相場の急騰時にもリターンが高く、スマイルカーブを描くプロファイルをある程度持っている

⑦ホームカントリーである日本とともに、覇権国である米国もしくは次期覇権国と目される中国を含むアジアの中長期的な成長を享受できる可能性のある投資・資産配分を実施している

⑧ヘッジファンドの運用側(①~⑦)だけでなく、商品を扱う販売側にもヘッジファンドの知識・知見があり、デューデリジェンスやフォロー体制がしっかりとできている

 

中村 貴司

東海東京調査センター

投資戦略部 シニアストラテジスト(オルタナティブ投資戦略担当)

 

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このレポートは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断の最終決定は、お客様自身の判断でなさるようお願いいたします。このレポートは、信頼できると考えられる情報に基づいて作成されていますが、東海東京調査センターおよび東海東京証券は、その正確性及び完全性に関して責任を負うものではありません。なお、このレポートに記載された意見は、作成日における判断です。

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