オルタナティブ投資は、代替資産と代替戦略に分かれる
近年では株式、為替、債券など伝統的資産とは異なる値動きが期待されるリートや、金、原油等のコモディティ(商品)などを対象とするオルタナティブ投資に注目が集まっている。
オルタナティブ投資は、株式や債券といった伝統的な投資資産とは異なる①「代替資産(オルタナティブ・アセット)」と、従来と異なる手法・戦略である②「代替戦略(オルタナティブ・ストラテジー)」の2つに分けられる。
①の「代替資産」は、リート・不動産、コモディティ(金、原油等)、インフラストラクチャー(道路、空港等)、プライベート・エクイティ(未上場株投資)などが挙げられる。
また、②の「代替戦略」は、ヘッジファンド戦略などが挙げられる。広義の代替戦略(たとえばヘッジファンド内で用いる戦略)には、テクニカルや行動ファイナンス戦略に加え、SDGs(持続可能な開発目標)・ESG(環境、社会、企業統治)投資やAI(人工知能)・オルタナティブデータ(クレジットカードや衛星画像等)に基づく投資戦略などが含まれる。
「オルタナティブ投資」が注目を集める3つの理由
オルタナティブ投資が市場の注目を集める理由として大きく3つの理由が考えられる。
1点目として、低金利環境下、少しでも高いリターン特性のある資産・戦略への投資ニーズが高まっていることが挙げられる。
2点目として、リスクを低減させながら持続可能な投資パフォーマンスを獲得するために資産・戦略の分散の必要性が高まっていることが挙げられる。
3点目として、顧客の最善の利益追求など金融機関の間でフィデューシャリー・デューティーへの取り組みが広がっていることが挙げられる。顧客にふさわしいサービスの提供のためには、顧客ごとのリスク特性を把握した上で、ニーズに対応した多様なリターン特性や投資期間の商品・情報提供が重要になってきている。
このような観点から顧客(運用を行う投資家側)、金融機関(商品の提供側)両サイドにおいて、オルタナティブ投資への関心が高まっているといえよう。
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