休まず勉強する他校の生徒たちを見て、焦る灘高生…
中堅校からでも東大を目指すことはできる。身のまわりで起きた2つのできごとをきっかけに、私はそう確信するようになりました。
灘高校3年生だった夏のことです。私は、夏休みを近所の公立図書館で勉強しながら過ごすことに決め、夏休みに入ると早速通い始めました。
実をいうと、その時点で、模擬試験の成績や過去問にチャレンジした手応えから、東大理三に合格できる見こみはついていました。
では、なぜわざわざ図書館通いを計画したかというと、図書館に通う女子生徒に勉強を教えてあげればモテるのではないかと思ったからです。いってみれば不純な動機です。私にも、男子高の生徒らしい妄想にあふれる時期があったわけです。
さて、朝早起きして図書館に向かうと、午前9時の開館を前にして、受験生らしい人たちが列をなして待っているのが見えました。
図書館には熱心な学生が集まるので、早めに行かないと席を確保できないとは聞いていましたが、実際に目の当たりにすると、気が引き締まりました。自分もうかうかしていられないという気持ちになりました。
席を確保すると、みんな一斉に勉強をスタートします。
全員が一心不乱といった様子で、誰一人として雑談をする雰囲気ではありません。途中、私は席を立ってバーガーショップに出かけたり、適度にお茶休憩したりしていたのですが、公立高の受験生たちはほとんど席を立つことすらありません。
お昼どきになると、彼らは持参したお弁当を5分くらいで食べ、数時間に1回くらいのペースでトイレ休憩する以外は、机にかじりついて勉強していたのです。
それを見ていて、さすがに「ヤバい」と感じました。今でこそ、自分は合格圏内ですが、このハイペースで公立高校の生徒たちが勉強を続けたら、私が追いつかれて、追い抜かれるのも時間の問題ではないか、と不安になってきたのです。