(※写真はイメージです/PIXTA)

高校三年の夏、公立高校の生徒たちの「的外れな勉強法」に衝撃を受けた灘高生。東大を目指しているという同級生の友人に灘高の勉強法伝授した結果、見事東大合格。さらに1歳下の弟にも勉強を教えたところ東大文一に合格した。「勉強はやり方しだい」だという事実を痛感したという。※本連載は、和田秀樹氏の著書『公立・私立中堅校から東大に入る本』(大和書房、2019年2月刊)より一部を抜粋・再編集したものです。

「的外れな勉強法」公立高生には追い抜かれない

しかし、結論からいえば、3日もしないうちに、もう絶対に公立の人たちには追い抜かれないとの確信を持つようになりました。というのも、彼らの勉強ぶりをこっそり見ていたら、3日かかってもほとんど進展がないのに気づいたからです。

 

彼らは、一見すると必死に勉強しているようなのですが、よくよく見ると「チャート式」の参考書が、1日で2~3ページくらいしか進んでいなかったり、同じ問題を前にしてウンウンうなっていたりするケースがほとんどでした。

 

隣の席を見ると、古文を必死になって書き写しているのが目に入ったこともあります。

 

「こんなやり方で本当に合格する気があるのだろうか?」

 

と思ってしまうくらいに、公立高の生徒たちは、的外れな勉強を続けていました。

 

灘高と公立高とでは、素質が違うとかカリキュラムが違うという以前に、勉強そのもののやり方が圧倒的に違うと、今さらながらに気づいたのです。

「解けなければ先に答えを見て解法を覚える」

多少安堵しながら、マイペースで勉強をしていると、偶然にも小学校のときの同級生と再会しました。

 

彼は私と同じ公立小学校の出身で、その後、地元の公立中学校を経て公立高に進学していました。彼は私のことを見つけるやいなや、こんな相談を持ちかけてきました。

 

「オレは今のレベルで合格できそうな大学を目指すから、あまり勉強しなくてもいいんだけど、友だちのひとりに東大に行きたいっていうやつがいるんだ。神戸大学に合格できるくらいの実力があるらしいんだけど、東大を目指すにはもう少し成績が伸びないとダメみたい。そいつに勉強のやり方を教えてやってくれないか?」

 

せっかくなので、紹介された同級生の友人と会ってみることにしました。彼が通っているのは神戸市内の公立高校で、毎年東大にやっと2~3人の合格者を出すくらいのレベルです。しかも、東大合格者はみんな浪人生だといいます。

 

彼は、数学の成績が伸びないことに悩んでいました。そこで私からこんなふうにアドバイスをしました。

 

「とりあえず数学というのは、たくさんの問題に当たることが大事。だから、解けなかったら、先に答えを見て、解法を覚えてしまったほうが効率的だよ」

 

「え? そんなことをしたら、実力がつかないんじゃないの?」

 

「いや、灘高ではみんなそうやって勉強しているよ」

 

「えっ!? そうなの?」

 

その後、何度か彼に勉強のやり方をレクチャーしましたが、夏休みが明けてからはそれっきり連絡も取らなかったので、彼がどうなったかは知りませんでした。

 

しかし、その後になって彼が現役で東大に合格したらしいことがわかりました。私のアドバイスを素直に聞き入れて、数学の勉強法を変えたのでしょう。

 

その話を聞いて、勉強はやり方しだいだと改めて痛感したのです。

 

次ページ成績があまり良くない弟に灘高の勉強法を教えると

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