(※写真はイメージです/PIXTA)

一戸建てよりもマンションを選ぶシニア層が増えています。築年数の経過したマンションほど70歳以上の割合が高くなりますが、災害時の安否確認等や孤独死発見の遅れなど、管理組合は苦慮しているのが現状です。年金への不安から、賃貸戸数の増加も生んでいます。お金をかけない地域コミュニティ形成や、マンションを取り巻く現況について見ていきましょう。※本連載は、松本洋氏の著書『マンションの老いるショック!』(日本橋出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

規約を改正で管理組合の役員資格の範囲を広げる

役員資格の範囲を広げることについては、管理規約を改正して居住組合員以外の者を役員にするためには「現に居住する」要件と「組合員」の要件を見直すことが必要です。

 

マンション標準管理規約(以下「標準管理規約」という。)では、管理組合が建物、敷地の管理を行うために区分所有者で構成される団体であることを踏まえ、役員の資格要件を区分所有者にし

 

ていますが、それぞれのマンションの実態に応じて資格要件を緩和することは可能です。国土交通省の平成30年度マンション総合調査によると、管理規約において選任できる役員範囲は、全体では、「居住の組合員」が97.1%、「居住組合員の同居親族」が25.0%、「居住していない組合員」が21.4%、「賃借人」が3.0%となっています。(重複回答)

 

完成年次別では、完成年次が古くなるほど「居住していない組合員」の割合が高くなる傾向にあります。総戸数規模別では、総戸数規模が大きくなるほど「居住組合員の同居親族」の割合が高くなる傾向にあります。

 

形態別では、単棟型と団地型を比較すると、「居住組合員の同居親族」の割合は、単棟型が22.4%、団地型のが38.2%で、団地型の割合が高く、「居住していない組合員」の割合は、単棟型が22.7%、団地型が15.8%で、単棟型の割合が高くなっています。

 

役員が欠員した場合は、「管理者は、規約に別段の定めがない限り集会で選任する」と区分所有法第25条で規定されていますが、その他の理事、監事の選任方法は特に定めていません。規約で定められた人数が不足した場合は、役員は補充しなければなりません。

 

本来は、総会を開いて役員を選出するべきでしょうが、標準管理規約コメント第36条関係③では、役員が転出、死亡その他の事情により任期途中で欠けた場合、補欠の役員を理事会で選任することができると規約に規定することもできるとしています。それを規約に規定することで、補欠役員選任のための臨時総会開催という事態は回避できます。

 

なお、役員の辞任に関し、役員と各組合員(ないしは管理組合)とは委任関係にあると解され民法の規定により辞任できると考えられています。

 

しかし、一方的な辞任は、管理組合の業務が停止してしまうこともありますので、辞任により退任する役員も後任の理事又は監事が就任するまでの間は引き続きその職務を行うことになるので注意が必要です。

 

 

松本 洋

松本マンション管理士事務所 代表

 

 

マンションの老いるショック!データから学ぶ管理組合運営

マンションの老いるショック!データから学ぶ管理組合運営

松本 洋

日本橋出版

分譲マンションは現在、「区分所有者の老い」「建物設備の老い」という二つの老いの問題を抱えています。 本書では、国土交通省から公表されているデータや、筆者のマンション管理士としての経験から得た知識を基に「マンシ…

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