※画像はイメージです/PIXTA

原野商法の被害が2010年代から急増しています。近年は、過去に原野商法の被害を受けた人やその相続人を狙っているのが特徴で、相続税対策などを謳い文句にした手口が多いようです。そのような原野商法に騙されないためにも、勧誘手口と相続税の節税効果がない理由について見ていきましょう。

トラブル急増!原野商法の被害者を狙った新たな手口

原野商法の二次被害トラブルに関する相談は2010年代から急増しており、国民生活センターへの相談件数は、2017度には前年比の1.8倍まで増加しています。

 

 

出所:出典:より深刻に!「原野商法の二次被害」トラブル-原野や山林などの買い取り話には耳を貸さない!契約しない!-(独立行政法人国民生活センター)
【図表】原野商法二次被害の相談件数推移 出所:出典:より深刻に!「原野商法の二次被害」トラブル-原野や山林などの買い取り話には耳を貸さない!契約しない!-(独立行政法人国民生活センター)

 

 

 

原野商法の二次被害が拡大しているのは、40年前に一次被害に遭った人が高齢化し、正常な判断ができない状態で相手に言われるがまま契約してしまうのも一因です。

 

■相続税の税金対策として土地の買取を申し出てくる

近年の原野商法は、不動産販売業者が過去に原野商法で取得した土地の買取を申し出てくることから始まります。

 

不動産業者の購入動機としては、「外国人に土地を購入させないため」や「相続税の節税になる」など様々ありますが、すべて架空の話です。

 

もちろん買取する土地が資産的価値のない土地であることは業者も知っていますが、同時に売却できない現状も把握しています。

 

■土地の買取条件として別の土地購入を求めてくる

新しい原野商法は、過去に購入した土地の買取だけでは終わりません。土地の買取条件として不動産販売業者は、新たな土地の購入を求めてきます。通常土地を売却したら手元にお金が入ってきますが、原野商法では下取りという形で土地を買い取るため、お金は入ってきません。

 

土地売却資金で過去の原野商法での損失を補填するつもりが、追加資金を支払って別の土地を購入しなければならなくなってしまうため、手元のお金をさらに失います。

 

■悪徳不動産販売業者から提示される土地は資産的価値がない

過去に原野商法で取得した土地を下取りに出し別の土地を購入した場合でも、新たに取得する土地の購入金額が正当であれば損はありません。

 

しかし原野商法の二次被害に遭った人が購入を求められる土地は、1970年代に流行した原野商法と同様に資産的価値のない土地です。

 

そのため、お金を支払って新たに別の土地を購入したのにも関わらず、手元には価値のない土地しか残りません。

原野商法で取得した土地が相続税の節税にならない理由

相続財産は現金より、不動産として所持した方が相続税の節税になるケースはあります。しかし、原野商法で提供される不動産を購入しても節税効果は期待できません。むしろ業者に支払う手数料分だけ、資産を減少させることになります。

 

■山奥の土地の相続税評価額が高くなることはない

相続税で土地を評価する際には、路線価方式または倍率方式で計算します。路線価評価は市街地で主に使用する計算方法であり、田舎の土地の評価方法は倍率方式です。

 

倍率評価とは、固定資産税評価額に倍率を乗じて計算する方法であり、国税庁のホームページに掲載されている倍率表の倍率を乗じます。

 

【参照】令和元年の北海道網走市の倍率表

 

固定資産税評価額は、時価の0.7倍相当といわれています。時価が高ければ固定資産税評価額は上がりますが、売買できないような土地の時価に高値がつくことはありません。

 

■相続税の節税額よりも不動産業者に支払う金額の方が多い

原野商法で取得した土地の評価額が低ければ、その分支払う相続税額も少なくなります。

 

そのため一見すると、原野商法にも節税効果があるように感じるかもしれませんが、原野商法を行うような悪徳不動産販売業者の場合、高額な測量代や登記費用などを請求してきます。土地を購入し、相続税が節税できたとしても、手元の資産は減少していることがほとんどです。

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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