女性の活躍が推進されている時代でありながら、多くの女性が出産や育児をきっかけに働くことを諦めている今の日本。その理由として、保育園を巡る問題が挙げられます。今回は、ベビーシッター事業、保育園事業、病院内保育園委託事業、企業主導型保育園のFC事業、人材育成・派遣・紹介事業などを展開する株式会社マザーグース代表取締役の柴崎方恵氏が、産休・育休後の女性を取り巻く「職場環境」について解説していきます。

先輩ママ、育休仲間の存在が「復職への不安」を解消

第一に、相談に乗ってくれる存在がいることについてです。それが先輩ママ社員であれば、より心強いでしょう。キッズラインが2019年に育児休業制度を利用したことのある女性を対象に実施した調査によると、9割以上の人が「復職にあたり不安があった」と回答しています。こうした不安を解消するために役に立つのが、社内の先輩ママや、同時期に育休に入っている仲間の存在です。

 

産後も女性社員が長く働き続ける会社には、産休前後に相談できる人の存在があったり、育休を取った人同士のつながりをつくるしくみがあったりします。特に初めての子育てであれば、分からないことばかりで不安も大きいものです。そんなときに、身近に子育てをしながら働いている先輩社員がいたり、人事に窓口があったりすれば、仕事と子育てを両立して働くことを前向きに考えられるようになるのです。

 

育休期間中に人事等の担当者に困り事を相談できるような機会や、同時期に育休から復帰する人たちと顔を合わせる機会があると、復職する際の不安もずいぶんと解消されます。

 

また、子育てをしながら働くことでどのようなトラブルが起こり得るかを事前に把握することができれば、冷静に対処することもできます。

 

さらに、育児休業の経験者同士で横のつながりができていると、仕事と育児の両立に心が折れそうになったとき、自分だけで抱え込むことなく気軽に相談ができたり、復帰後もさまざまな形でそのつながりを活かしていくこともできます。

上司や同僚など、受け入れる側の理解が不可欠

第二に、子育てしながら働くということに関して、上司や同僚の理解があるということ
についてです。

 

子育てしながら働くうえで、職場の人間関係は重要です。本人にどれだけ働きたいという気持ちがあっても、子育てに不測の事態はつきものです。何かあったときに周りのサポートが得られる状態でなければ、働き続けていくことはできません。産後も働きやすい職場には、上司や同僚など、受け入れる側の理解が不可欠です。

 

第三に、子育てしながら働くことについて、会社の実情に沿った制度があり、それがきちんと機能しているということです。子育てをしながら働くことを考えた場合にネックとなることがあったとしても、それをカバーできるような制度があれば、働き続けていくことが可能になります。
 

 

株式会社マザーグース代表取締役

柴崎方恵

 

 

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柴崎 方恵

幻冬舎メディアコンサルティング

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