年金への不安から古いマンションの「賃貸戸数」が増加
分譲マンションの賃貸住戸のあるマンションの割合は74.7%(前回調査より+3.1%)となったことが発表されました。築年数が経過した古いマンションほど賃貸住戸のあるマンションの割合が高くなる傾向が見られることが報告されています(図表3,4)。
築年数が経過した古い分譲マンションで賃貸戸数が高くなっている背景としては、年金の問題があるといわれています。
昨今、年金機構の不祥事などが相次いで発生して、年金制度が破綻して年金が将来もらえない、もらえてもほんの少しで生活ができないとテレビのワイドショー、新聞、週刊誌等が報道して不安をあおっています。
少子高齢化で年金を支払う人より年金をもらう人の方が多いので年金制度は破綻するに決まっていると専門家を名乗る方が伝えている光景をよく耳にします。
従来は、マンションを買い替える場合には、現在住んでいるマンションを売って買い替えるのが一般的でした。
ところが、年金が出ないかもしれない、出ても少なくて生活できないかもしれないという不安から、現在住んでいるマンションは売却しないでとりあえず賃貸に出して事業用の資産としてその家賃収入で不足する年金を補填して、新しく購入するマンションに自分たちが住むというようなマンション買い替えのスタイルが変化したからだといわれています。
松本 洋
松本マンション管理士事務所 代表