「ファンダメンタルズ面」からみた日本株投資戦略
一方、ファンダメンタルズ面では堅調なトレンドを維持している。世界経済の回復基調を背景に、半導体・電子部品や自動車・機械など製造業を中心に企業の業績見通しは良好である。
また6月下旬以降の職場や大学を含めたワクチン接種の加速により、先行きも国内経済の正常化の動きが期待できることから、内需関連企業の業績トレンドも改善してこよう(参照:『6月21日「職場内ワクチン接種」開始…注目銘柄の見極め方』)。
こうした場面での投資アイデアとして、ポートフォリオの中核(コア)である長期保有部分と、市場変動に応じて短中期的に機敏にポジションを上下させるサテライト(衛星)部分を半々に分けて対応するといった投資戦略も考えられる。
業績トレンドなどファンダメンタルズ分析をベースとした戦略的アセットアロケーション(資産配分)の部分では、長期のロング(買い)ポジションを維持する。
複数の分析を組み合わせる「戦略分散ポートフォリオ」
以上の戦略を組み合わせ、中期のテクニカル(サイコロジカルライン)の売りサインや下期は軟調になるというアノマリーを考慮し、タクティカル(戦術)なアロケーションの部分では、ショート(売り)ポジションを構築する。
そうすることでポートフォリオ全体として市場全体の影響を中立化(ニュートラル)させリスクをコントロールしながら、銘柄選別を強化し投資パフォーマンスを高める戦略を採用することもできよう。
なお、ショートポジションのリスク管理については、たとえば、中期(週次)のサイコロジカルラインが再び25%に接近するか、日経平均株価が2月16日のザラ場高値である30714.52円を突破した段階で解消する。
または下半期から上半期に移行するタイミングとなった場合や、アノマリーどおり下半期の投資パフォーマンスが相応に悪化し、押し目買いの有効性が高まったと判断した場合に解消するといった手法も考えられる。
以上のように、ファンダメンタルズ、テクニカル、行動ファイナンス(アノマリー・季節性含む)などの複数の分析手法や時間軸を組み合わせる「戦略分散ポートフォリオ」も活用しながら下値リスクを管理し、長期の日本株の上昇トレンドに追随することも一案だろう。
中村 貴司
東海東京調査センター
投資戦略部 シニアストラテジスト(オルタナティブ投資戦略担当)
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