金(ゴールド)だけではない!「コモディティ投資」のポイント

本連載では、東海東京調査センターの中村貴司シニアストラテジスト(オルタナティブ投資戦略担当)への取材レポートを掲載しています。

「金・銀・銅・原油」の投資の切り口一覧

今回はオルタナティブ資産としての「コモディティ(商品)」に着目した投資戦略について取り上げる。

 

主要各国中銀による大規模な金融緩和や各国政府による財政拡張に加え、双子の赤字を背景とした長期的なドル安観測などが後押しし、コモディティ価格は2020年5月以降、概ね堅調に推移している。

 

コモディティの投資対象は幅広いが、ここでは金、銀、銅、原油に絞って投資のポイントを少し整理してみたい。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

「原油」は車のガソリン需要や航空機などの燃料需要が拡大する局面、つまり世界経済が拡大する局面では選好されやすい。また「銅」に関しても、中国が銅地金の消費で世界全体の約5割を占めており、中国を含む世界経済が拡大基調にある場合は投資対象として同様に選好されやすい。

 

一方、「金」は安全資産あるいはリスクヘッジの対象資産とも言われ、市場に不透明感が強まる場面では買われる傾向がある。また金には金利がつかないことから米実質長期金利が低下する局面などでも選好されやすい。「銀」は需要の半分を部品や太陽光パネルなど工業用途が占め、概ね安全資産の「金」と景気感応度の高い「銅」の中間的な位置づけとして見られることが多い(表1)。

 

【表1】金、銀、銅、原油投資の切り口

 

長期的には、ESG(環境、社会、企業統治)投資の視点も考慮に入れたい。2021年に米バイデン政権が誕生したが、同政権は環境・クリーンエネルギーを重視している。世界的なESGの流れも後押しし、長期的に石油需要が抑制される方向に働くことも予想される(原油価格の上値抑制要因)。

 

反面、二酸化炭素の排出を抑えるEV(電気自動車)や再生可能エネルギーとしての太陽光発電の拡大等も期待できるため、これらに使用される銅や銀価格の下値は長期的にサポートされると見る。金においては、ESGの影響は中立とみている。

 

こうした点を考慮したうえで、今後のコモディティ投資をどのように考えていけばいいのだろうか?

 

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東海東京調査センター
投資戦略部 シニアストラテジスト(オルタナティブ投資戦略担当)

山一證券、メリルリンチ日本証券、損保ジャパンアセット(現SOMPOアセット)などでの富裕層・法人営業に加え、年金基金、投資信託のアナリストやファンドマネージャーとして新興市場やオルタナティブを含む幅広い市場・商品の担当責任者を経て、2016年に東海東京調査センター入社。

現職では短中期の戦術的資産配分(タクティカル・アセットアロケーション)やオルタナティブ投資(ヘッジファンド・テクニカルやコモディティ戦略含む)の視点を踏まえたグローバルな日本株の市場分析等を行う。他の代替資産・戦略としてJリート投資戦略、ESG投資戦略、行動ファイナンス投資戦略などもカバーしている。

英国国立ウェールズ大学経営大学院MBA。アライアント国際大学・カリフォルニア臨床心理大学院米国臨床心理学修士号(MA)。慶應義塾大学商学部卒。国際公認投資アナリスト(CIIA)、日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)、国際テクニカルアナリスト連盟検定テクニカルアナリスト(MFTA)、CFP、英国王立勅許鑑定士(MRICS)、不動産証券化協会認定マスター、中小企業診断士。

日経CNBCなどのTV・メディアに出演。日経新聞、QUICK、ロイター、ブルームバーグ、時事通信、東洋経済オンライン、幻冬舎ゴールドオンラインなどでも執筆、コメントを行う。ヘッジファンド・テクニカルのキャリアとして世界のテクニカルアナリスト協会を束ねる国際テクニカルアナリスト連盟(IFTA)の理事などを歴任。早稲田大学ビジネスファイナンスセンターや同志社大学、青山学院大学等で講師を務める。

著書には投信営業に行動ファイナンスアプローチなどを活用した『会話で学ぶ!プロフェッショナルを目指す人の「投信営業」の教科書』(2021年)がある。

●オルタナティブ投資戦略(東海東京TV)
https://www.tokaitokyo.co.jp/tv/public/market/global.html

著者紹介

連載東海東京調査センター「オルタナティブ投資戦略取材レポート」

このレポートは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断の最終決定は、お客様自身の判断でなさるようお願いいたします。このレポートは、信頼できると考えられる情報に基づいて作成されていますが、東海東京調査センターおよび東海東京証券は、その正確性及び完全性に関して責任を負うものではありません。なお、このレポートに記載された意見は、作成日における判断です。

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