いま、弁護士や税理士などの士業は過渡期を迎えようとしています。「AIに仕事が奪われる」との声も……。しかし、士業のすべてなくなるわけではなく、人間にしかできない仕事がまだまだあります。AIやITなどの技術革新が続くなか、士業の仕事に付加価値をつける方法を税理士、公認会計士、心理カウンセラーとして活躍する著者が明らかにします。本連載は藤田耕司著『経営参謀としての士業戦略 AI時代に求められる仕事』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部を抜粋し、再編集したものです。

「面倒くさい」は人生を可能性を妨げる

「未来の仕事」としてすべきことが明確になり、その時間を確保できたにもかかわらず実行しない、あるいは実行できない場合、その背景には「面倒くさい」「怖い」といった感情の存在があると考えられます。この感情と向き合い、克服するにはどうしたらいいのでしょうか。

 

「面倒くさい」の恐ろしさ

 

「面倒くさい」という感情は人生の可能性を妨げる恐ろしい感情です。「やるべき」と頭ではわかっていても、気が進まない、行動に移せない。「面倒くさい」という感情は一日に何度も生じ、その度に「やったほうがいいんだけど、どうしようかな……」と葛藤します。そして「面倒くさいからやめよう」と判断すると、「やらない」という判断を正当化するための言い訳を考えようとします。

 

すぐに挑戦をあきらめてしまう人は、「感情」に意識を向ける傾向があるという。(※写真はイメージです/PIXTA)
すぐに挑戦をあきらめてしまう人は、「感情」に意識を向ける傾向があるという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

「やるべき」と考えたことをすべて実行した場合と、「面倒くさい」という感情に負けてまったく実行しなかった場合とでは、人生の展開が大きく異なることは容易に想像できるでしょう。このようにして「面倒くさい」という感情は人生の可能性を妨げていきます。

 

「面倒くさい」を克服し、「未来の仕事」に取り組む

 

「面倒くさい」という感情を克服し、「未来の仕事」に取り組むためには、強いモチベーションが必要です。そのモチベーションを高める方法の一つが、「なぜやらなければいけないのか」という理由を明確にすることです。その理由が明確になれば、「〝面倒くさい〟などといっている場合ではない」と取り組めるようになります。その理由に自分が納得できればできるほど、モチベーションは高くなります。そのため、自分が納得できる理由を見出すための情報を収集することも重要になります。

 

また、「未来の仕事」の進捗を確認し合う仲間を作ることも効果的な方法です。事務所内外を問わず、進捗を報告し合う勉強会を定期的に開催すれば、仲間の報告に刺激を受け、高いモチベーションを維持することができます。

 

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経営参謀としての士業戦略 AI時代に求められる仕事

経営参謀としての士業戦略 AI時代に求められる仕事

藤田 耕司

日本能率協会マネジメントセンター

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