いま、弁護士や税理士などの士業は過渡期を迎えようとしています。「AIに仕事が奪われる」との声も……。しかし、士業のすべてなくなるわけではなく、人間にしかできない仕事がまだまだあります。AIやITなどの技術革新が続くなか、士業の仕事に付加価値をつける方法を税理士、公認会計士、心理カウンセラーとして活躍する著者が明らかにします。本連載は藤田耕司著『経営参謀としての士業戦略 AI時代に求められる仕事』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部を抜粋し、再編集したものです。

落胆、焦りの感情に振り回されない方法

一度や二度は壁にぶつかるもの

 

私は、これまで多くの経営者から「新たに事業を立ち上げたい」というご相談を受け、支援してきましたが、新規事業の立ち上げにあたっては、「新規事業の立ち上げは、必ず一度や二度は壁にぶつかるものです。でも、そこからが勝負です」とお伝えするようにしています。そうすることで、壁にぶつかった際の経営者の反応が変わります。

 

うまくいくと思い込んでいて壁にぶつかると、そのショックは大きく、落胆や焦りの感情に振り回されやすくなります。一方、「一度や二度は壁にぶつかるものだ」と覚悟して壁にぶつかった場合は、それほど感情に振り回されずに原因分析と仮説立案を進められます。

 

ですので、今後の時代に向けて新たなアクションを起こす時も同様に、あらかじめ「一度や二度は壁にぶつかるものだ」と覚悟しておくことをお薦めします。その覚悟が感情に振り回されることなく、原因分析と仮説立案を進めるうえで大きな効果を発揮します。そして新たなアクションに対して粘り強く取り組むことを強く後押ししてくれます。

 

藤田耕司
一般社団法人日本経営心理士協会代表理事
FSGマネジメント株式会社代表取締役
FSG税理士事務所代表
公認会計士、税理士、心理カウンセラー

 

 

経営参謀としての士業戦略 AI時代に求められる仕事

経営参謀としての士業戦略 AI時代に求められる仕事

藤田 耕司

日本能率協会マネジメントセンター

AIの利用が広がるにつれ、多くの士業が「定型的で単純な手続き業務はAIに取って代わられかねない」と危機感を強めています。 起業して新事業を始めたり、いち早くAIを取り入れたりするなど、業務の見直しに取り組む動きも出始…

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