いま、弁護士や税理士などの士業は過渡期を迎えようとしています。「AIに仕事が奪われる」との声も……。しかし、士業のすべてなくなるわけではなく、人間にしかできない仕事がまだまだあります。AIやITなどの技術革新が続くなか、士業の仕事に付加価値をつける方法を税理士、公認会計士、心理カウンセラーとして活躍する著者が明らかにします。本連載は藤田耕司著『経営参謀としての士業戦略 AI時代に求められる仕事』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部を抜粋し、再編集したものです。
落胆、焦りの感情に振り回されない方法
一度や二度は壁にぶつかるもの
私は、これまで多くの経営者から「新たに事業を立ち上げたい」というご相談を受け、支援してきましたが、新規事業の立ち上げにあたっては、「新規事業の立ち上げは、必ず一度や二度は壁にぶつかるものです。でも、そこからが勝負です」とお伝えするようにしています。そうすることで、壁にぶつかった際の経営者の反応が変わります。
うまくいくと思い込んでいて壁にぶつかると、そのショックは大きく、落胆や焦りの感情に振り回されやすくなります。一方、「一度や二度は壁にぶつかるものだ」と覚悟して壁にぶつかった場合は、それほど感情に振り回されずに原因分析と仮説立案を進められます。
ですので、今後の時代に向けて新たなアクションを起こす時も同様に、あらかじめ「一度や二度は壁にぶつかるものだ」と覚悟しておくことをお薦めします。その覚悟が感情に振り回されることなく、原因分析と仮説立案を進めるうえで大きな効果を発揮します。そして新たなアクションに対して粘り強く取り組むことを強く後押ししてくれます。
藤田耕司
一般社団法人日本経営心理士協会代表理事
FSGマネジメント株式会社代表取締役
FSG税理士事務所代表
公認会計士、税理士、心理カウンセラー
一般社団法人日本経営心理士協会代表理事
FSGマネジメント株式会社代表取締役
FSG税理士事務所代表
公認会計士 税理士 心理カウンセラー
19歳から心理学を学び、心理カウンセラー等の複数の心理系資格を取得。2011年に監査法人トーマツを退職し、コンサルティング会社と会計事務所を設立。人材育成から労務問題、採用、営業、マーケティングまで幅広い分野で、これまでに1,000件超の経営相談を受け、数字と人間心理の両面から経営改善を行う。また、これまでの経営改善事例から経営者の心理、部下の心理、顧客の心理、自己の心理を分析し、経営心理学として体系化することで経営指導の成果を大きく高める。
現在、経営者人材や経営参謀の育成を目的として経営心理学を伝える経営心理士講座を主宰。全国から経営者や士業が集まっている。著書に『リーダーのための経営心理学』(日本経済新聞出版社)、『もめないための相続心理学』(中央経済社)がある。
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