上値が重い日経平均…「ワクチン接種加速」でとるべき投資戦略

本連載は、東海東京調査センターの中村貴司シニアストラテジスト(オルタナティブ投資戦略担当)への取材レポートです。

指数の上値が重ければ、銘柄選別でリターンを高める

日本株(日経平均株価)については、2月16日のザラ場でつけた30714.52円を高値とした短期の調整局面が継続している。

 

目先は6月15日~16日に開催が予定されるFOMC(米連邦公開市場委員会)を前に様子見姿勢が強く、またテクニカル面では75日線程度(6月11日時点で29,133円)が上値の抵抗帯となっており、上値の重い展開が継続することも予想される。

 

そうしたなかでのポートフォリオの基本戦略としては、ニュートラルを継続(長期のコア部分のロングポジションと短期のサテライト部分のショートポジションを同額ずつ)しつつ、銘柄選別でパフォーマンスを高めることが基本戦略となろう。

 

足元の物色面では国内外の正常化の恩恵を享受しやすい景気敏感・バリュー株や内需関連株への選好が継続しているようだ(トヨタや日立製作所、日本通運や西日本旅客鉄道が年初来高値を更新)。

 

日足のTOPIXバリュー指数のテクニカルトレンドも良好となっており、値がさグロース株の影響を受けやすい日経平均と比較し景気敏感・バリュー株の影響を受けやすいTOPIX優位の展開が期待されよう。

 

今後もFRB(米連邦準備制度理事会)による粘り強い金融緩和姿勢が期待されるものの、景気回復を背景とした需要の増加や原油などを中心とした商品価格の上昇は先行きの物価と長期金利に上昇圧力をもたらし、グロース株の上値を抑制する可能性は残ろう。

本格化する「ワクチン接種」後の値動きに注目

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

一方、新型コロナウイルスワクチン接種の加速とそれに伴う経済活動再開の動きにより、欧米の景況感は大幅に改善しており、グローバルな景気敏感・バリュー株への選好の流れは継続すると考える。

 

加えて、今後の国内での新型コロナワクチンの接種の広がりにより、引き続き内需の景気敏感・バリュー株の押し目買いは有効な投資戦略になりうると考える。

 

また、6月下旬から職場内でのワクチン接種が本格的に始まると見られることや配当再投資の動きなども期待でき、7月の東京オリンピック・パラリンピックに向けて強いモメンタムを取り戻せるかに注目が集まろう(参照:『6月21日「職場内ワクチン接種」開始…注目銘柄の見極め方』)。

 

中村 貴司

東海東京調査センター

投資戦略部 シニアストラテジスト(オルタナティブ投資戦略担当)

 

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東海東京調査センター
投資戦略部 シニアストラテジスト(オルタナティブ投資戦略担当)

山一證券、メリルリンチ日本証券、損保ジャパンアセット(現SOMPOアセット)などでの富裕層・法人営業に加え、年金基金、投資信託のアナリストやファンドマネージャーとして新興市場やオルタナティブを含む幅広い市場・商品の担当責任者を経て、2016年に東海東京調査センター入社。

現職では短中期の戦術的資産配分(タクティカル・アセットアロケーション)やオルタナティブ投資(ヘッジファンド・テクニカルやコモディティ戦略含む)の視点を踏まえたグローバルな日本株の市場分析等を行う。他の代替資産・戦略としてJリート投資戦略、ESG投資戦略、行動ファイナンス投資戦略などもカバーしている。

英国国立ウェールズ大学経営大学院MBA。アライアント国際大学・カリフォルニア臨床心理大学院米国臨床心理学修士号(MA)。慶應義塾大学商学部卒。国際公認投資アナリスト(CIIA)、日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)、国際テクニカルアナリスト連盟検定テクニカルアナリスト(MFTA)、CFP、英国王立勅許鑑定士(MRICS)、不動産証券化協会認定マスター、中小企業診断士。

日経CNBCなどのTV・メディアに出演。日経新聞、QUICK、ロイター、ブルームバーグ、時事通信、東洋経済オンライン、幻冬舎ゴールドオンラインなどでも執筆、コメントを行う。ヘッジファンド・テクニカルのキャリアとして世界のテクニカルアナリスト協会を束ねる国際テクニカルアナリスト連盟(IFTA)の理事などを歴任。早稲田大学ビジネスファイナンスセンターや同志社大学、青山学院大学等で講師を務める。

著書には投信営業に行動ファイナンスアプローチなどを活用した『会話で学ぶ!プロフェッショナルを目指す人の「投信営業」の教科書』(2021年)がある。

●オルタナティブ投資戦略(東海東京TV)
https://www.tokaitokyo.co.jp/tv/public/market/global.html

著者紹介

連載東海東京調査センター「オルタナティブ投資戦略取材レポート」

このレポートは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断の最終決定は、お客様自身の判断でなさるようお願いいたします。このレポートは、信頼できると考えられる情報に基づいて作成されていますが、東海東京調査センターおよび東海東京証券は、その正確性及び完全性に関して責任を負うものではありません。なお、このレポートに記載された意見は、作成日における判断です。

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