本記事では、株式会社町田工務店の代表取締役社長で、資産20億円大家の町田泰次の書籍『年収400万円でも大家になれる 工務店社長が教える5つの流儀』より一部を抜粋・編集し、なかなか知ることができない「大家業」成功のための流儀を解説します。

南向きの土地建物は本当にいいと言い切れるのか?

住宅を建てるなら「南向きを選べ」と、よく聞かないか。

 

南側に大きな窓を付けると1年を通して室内が明るい、冬は陽光が届きやすいので室内が暖かいなど、さまざまなメリットがある。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

土地の価格も方角によってかなり違っていて、「南向きが高く」、「北向きが安い」傾向にある。売却時も南は高いけど北は安いというように、同じようなことがいえる。しかし、南向きの土地や建物が本当にいいと言い切れるのだろうかというのが、長年建築に携わってきた私の疑問だ。

 

工務店の立場でどんな土地が得か、という点を考えてみる。道路が南に面している「南向きの土地(図1-1)」と、北に道路がある「北向きの土地(図1-2)」がある。異なるのは道路の位置だけで、室内のリビングや寝室は光の関係で同じ位置にある。

 

設計士が住宅やアパート・マンションのプランを考える時に、まずはじめに確認するのが朝日の入る位置である。陽光を入れたい部屋はリビングや寝室、北側には採光窓のいらないユニットバスなど水回りや階段、玄関は光が入るほうがいいから、できれば南東の方向につくれば室内が明るくなる。これが設計の基本的な考えだ。

 

つまり、東向きでも西向きでも、寝室やリビングに光を取り入れる設計にすれば、土地に関していえば方角はさほど関係ないということが分かるはずだ。

 

[図1]南向きの土地と北向きの土地

道幅は4メートルより5メートル

土地購入時は、道路との関係を知らないと損をすることがある。例えば、建ぺい率が60%で容積率(敷地面積に対する延床面積の割合)200%の土地の購入の検討をしていたとする(図2)。敷地を100平米とすると、建ぺい率60%で60平米までの建築面積が取れる。容積率は200%なので総床面積200平米の家を建てることができる。

 

つまり1階の広さを60平米にすれば3階建て(60×3=180)、50平米で4階建て(50×4=200)の建物を建設できるという計算が成り立つ。

 

しかし、ここがポイントだ。

 

建築基準法では、建物前の道路幅が12メートル未満の場合には道路幅に「0.4×100」を掛けた計算式で容積率を出し、両者のうち「小さい数値」の方を適用すると定めてある。道幅4メートルでは容積率は160%(4×0.4×100)となり、本来、この土地が持つ容積率200%を使いきれず床面積が減少してしまうのだ。

 

[図2]200%の土地の購入の検討している場合

 

床面積が減るということは、アパートやマンションであれば部屋の間取りが小さくなったり、部屋数が減るという懸念もある。5メートルあれば200%(5×0.4×100)を確保できる。敷地面積が同じでも道幅の違いによって延床面積が変わる。

 

土地を買う時は、道幅と敷地の関係に十分気を配ること、道路の広さが利回りに影響することがあることを認識しておこう。

 

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『年収400万円でも大家になれる 工務店社長が教える5つの流儀』より一部を抜粋したものです。最新の税制・法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

年収400万円でも大家さんになれる 工務店社長が教える5つの流儀

年収400万円でも大家さんになれる 工務店社長が教える5つの流儀

町田 泰次

幻冬舎メディアコンサルティング

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