本記事では、株式会社町田工務店の代表取締役社長で、資産20億円大家の町田泰次の書籍『年収400万円でも大家になれる 工務店社長が教える5つの流儀』より一部を抜粋・編集し、なかなか知ることができない「大家業」成功のための流儀を解説します。

正方形と長方形の物件のどちらが有利か?

柱や梁は、反力やモーメントが大きければ大きいほど鉄筋の使用量が増えるので、コストが掛かるというのが建築構造の基本的な考え方だ。これを踏まえ、構造という観点で、正方形と長方形の物件のどちらが有利かということを解説する。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

長方形は間口が狭いので反力が掛かるため、梁だったり柱の高さや太さなどで鉄筋の使用量が増える。正方形は力が均等に掛かるため柱や梁はだいたい同じ大きさになる。

 

長方形は短辺に力が集中するため柱の数が多くなり、太さも過重によって増えるため、複雑な構造計算が必要になる[図表1]。過去回で述べてきたの間口の狭い方がいいという主張と少し矛盾した解説になるが、間口の広い正方形の建物よりも、間口の狭い長方形の物件の方がコスト高になる。

 

[図表1]平面図の比較

 

新築ならコストが少ない分、利回りも有利という理由で正方形。中古物件なら利回りを考えた上で長方形を買えと勧めたい。長方形の物件は構造上、建物全体にお金が掛かっているからだ。

 

最近は地震が多く、建物の耐震や構造を気にする人も増えている。地震に強そうに見えるのは正方形の物件だが、長方形だろうと正方形だろうと、どの物件も構造計算はきっちりしているので頑丈さはどちらも一緒。中古物件は工務店の考えを逆手に取って長方形が得ということだ。

正方形よりも長方形の方が、プランを練りやすい

正方形よりも長方形の方が、プランを練りやすいという点を強調する。大手ハウスメーカーがつくるアパートやマンションのプランは、ほとんどが正方形を「ようかん型」に仕切っている。

 

全ての部屋に朝日を入れようと南にバルコニーを設置するため、自然とそうなってしまうのだ[図表2]。コストや建てやすさも理由のひとつだ。一方で、長方形の建物は全ての部屋が角部屋になる[図表3]。

 

[図表2]正方形の部屋

 

 

[図表3]長方形の部屋

 

 

正方形は「全戸南向きのバルコニー」、長方形は「全戸角部屋」と、どちらも売り文句には困らないが、型にはまったプランよりも、より個性的で柔軟なプランを考えようと言いたいのだ。そうした観点で見れば正方形よりも長方形が魅力的だということだ。

 

アパートやマンションを建てるならターゲットにする入居者の年齢など特性を捉えプランを考えることも必要。ファミリー向けマンションなら南向きのバルコニーが大きなアピールポイントになるが、単身者向けの1LDKなら長方形の部屋割でもいいはずだ。

 

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『年収400万円でも大家になれる 工務店社長が教える5つの流儀』より一部を抜粋したものです。最新の税制・法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

年収400万円でも大家さんになれる 工務店社長が教える5つの流儀

年収400万円でも大家さんになれる 工務店社長が教える5つの流儀

町田 泰次

幻冬舎メディアコンサルティング

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