当面の「コモディティ投資」のポートフォリオ戦略
新型コロナウイルスにより世界経済が大きく落ち込んだあと、中国が先頭を走る形で世界経済が回復軌道にある(足元では新型コロナワクチンの普及により先行きの経済正常化の進展が一段と期待される局面にある)ことなどから、景気感応度の高い原油や銅は引き続き選好されると考える。
金については、先行きの経済正常化の進展や、FRB(米連邦準備制度理事会)によるテーパリング(量的緩和の縮小)の動きが予想されるなかでは、米長期金利に上昇圧力がかかりやすく、上値の重い展開が見込まれよう。
今後のリスクとしては、中国が商品に対する一段の規制を強化した場合や米長期金利が急ピッチで上昇した場合、投資家の運用リスクをとる姿勢が後退(リスクオフ)し、リスク資産全般に売り圧力がかかる可能性がある点であろう。
中国では足元、商品価格の上昇などを受け、生産者物価指数が前年比で大きく上昇しており、当局はこれらの動きに警戒を強めている。今後、中国当局によって一段の商品先物規制や価格統制の強化などが実施された場合、特に銅価格には下押し圧力がかかりやすい点には注意したい。
原油については、米国が早期にイランの原油制裁を解除しない限り、ドライブシーズン入りによるガソリン需要の増加が下値を支えると考える。
よって、コモディティの当面のポートフォリオ戦略のアイデアとしては、コア(7割)として、景気感応度の高い原油や銅の押し目買いを基本戦略としつつ、銅と比較し、相対的に原油を厚めにポートフォリオを構築する。
サテライト(3割)の部分では、長期の視点から1割程度を銀へ投資、あと残りの2割程度を短期の視点で金をリスクオフに対するヘッジとして活用(現金部分の代替)することも一案であろう。とはいえ、金においては、米実質長期金利の上昇はマイナス要因、リスクオフに対するヘッジ需要の高まりはプラス要因であることから、どちらの影響が強いかを見極めた上で対応していきたい。
リスク管理として、市場にリスクオフの動きが強まり、原油と銅のトレンドが一段と崩れた場合は、コアの部分も機敏に現金を厚めにし、影響を見極めた上で再度、ポートフォリオを構築し直すことも重要だと考えている。
中村 貴司
東海東京調査センター
投資戦略部 シニアストラテジスト(オルタナティブ投資戦略担当)
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