「子どもを預けてまで働くのか」という身内からの圧力
そうやって身を粉にして働く女性の気力をじわじわと奪うのが、身内からの「子どもを
預けてまで働くのか」という圧力です。30年くらい前までは、夫が働き、妻は専業主婦という家庭が多く、子どもは3歳まで母親が手元で育て、4歳になる年の4月から幼稚園に通わせるという方が多数派でした。
その時代に子育てをした世代には「3歳にも満たない子どもを保育園に預けるのはかわ
いそう」という考え方が根強くあります。なかには、子どもが3歳になるまでは母親が子
育てに専念するべきだとする「3歳児神話」をいまだに正しいと信じて疑わない方もいます。
3歳児神話は、1998年の厚生白書によって「少なくとも合理的な根拠がない」と断定されています。今では、子どもと一緒にいる時間に適切な関わりがされているならば、子どもを預けることに罪悪感をもつことはないといわれていますが、世代間の認識のズレはまだまだあります。
「ベビーシッターに預ける」ことに抵抗がある人も
また、最近ではベビーシッターを利用する人も増えてきましたが、祖父母世代には子どもをベビーシッターに預けるということに抵抗がある人も多いようです。
祖父母世代にとっては、「ベビーシッター」というと、アメリカなどで高校生がアルバイトでやっている仕事というイメージが強く、まれに報道される不祥事のインパクトなどから、小さな子どもを見ず知らずの人に預けても大丈夫なのかと心配されるようです。
日本の場合、全国保育サービス協会の認定を受けているベビーシッターなら、きちんとした研修を受けており、専門的な知識やスキルをもっているので安心して預けることができます。
また、ベビーシッターのなかには、保育士や幼稚園教諭の資格をもっている人もいます。近くに預けられる身内などがいないのであれば、ベビーシッターは頼れる存在になります。
家計を助けるために働こうとしているのに、身内から「子どもを預けてまで働くのか」という圧力がかかると、お母さんたちはやり場のない憤りを抱えることになります。保育の現場に身をおくと、そういったお母さんたちの苦労をひしひしと感じます。
株式会社マザーグース 代表取締役
柴崎 方恵
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