お金が必要だから働くのに、給料は保育料に消えていく
認可保育園では、世帯収入によって保育料が変わります。世帯収入が高ければ、保育料
も上がるしくみになっているからです。
子どもを保育園に預けることを考えて、認可保育園の保育料の試算をしてみたところ、思っていたよりも保育料が高過ぎて、仕事に復帰すべきか迷いが生じてしまったという悩みを聞くこともあります。世帯収入によっては、認可保育園の保育料は高額になるだけでなく、子ども手当が減額されることすらあります。
そうでなくても、時短勤務での復帰の場合、出産前より収入が減るうえに保育料が出ていくことになるので、収入と支出のバランスによっては、「子どもを預けて大変な思いをして働くのは割に合わない」と感じる人もいるようです。
NHKエデュケーショナルが2018年に未就学児の子どものいる母親を対象に行った調査によると、就業している人のうち、働くことの目的を「家計のため」と答えた人の割合は65%でした。
「自分の収入のため」と回答した人を合わせると7割を超えます。多くの人はお金を得ようとして働いているのに、働くために子どもを預ける保育料が大きな負担になるのでは、働こうという気持ちも削がれてしまいます。
認可保育園の保育料を決める要素には次の四つがあります。
・自治体
・保育時間
・子どもの年齢
世帯の所得額が増えるほど、保育料は高くなる
まずは世帯収入です。世帯の所得額が増えるほど、保育料は高くなります。そのため、同じ保育園に通って、同じ保育サービスを受けていても、家庭の所得によって支払う保育料には大きな差が出ることがあります。
国の基準額は[図表2]のとおりです。
これに、各自治体がそれぞれ補助を出し、実際に保護者が支払う金額が決まります。そのため、認可保育園の保育料の上限は自治体によって異なります。例えば3歳未満の保育標準時間の場合、月額保育料の上限として国が定めているのは10万4000円です。これに各自治体が補助を出して、実際に支払う保育料が決まります。