「家賃滞納は普通の人が堕ちる破滅への入り口である。」……2500件以上の家賃滞納トラブルを解決してきた、OAG司法書士法人代表の太田垣章子氏。同氏は書籍『家賃滞納という貧困』(ポプラ社)のなかで、その悲惨な実態を明かしている。

裁判にも姿を見せず…家賃トラブル、まさかの終結

和夫さんは裁判の期日にも姿を見せませんでした。その後、役所から連絡があり、強制執行の手続きで退去させられる直前に、和夫さんは生活保護の費用で転居されたことを知りました。結局、私も最後まで和夫さんに会うことはできなかったのです。

 

誰もが羨むような大手建設会社に勤務。なぜ和夫さんは、お酒に溺れることになったのでしょう。お酒の力を借りて、何かから逃げるためだったのでしょうか。もし母親が金銭的援助を一度もしなかったら、和夫さんはどこかで踏みとどまったのでしょうか。

 

一級建築士という立派な国家資格を持っている人を「家賃滞納」にまで追い詰めてしまう。やはり、飲み方次第で「お酒」は魔物になってしまうということなのでしょうか。

 

 

※本記事で紹介されている事例はすべて、個人が特定されないよう変更を加えており、名前は仮名となっています。

 

太田垣 章子

OAG司法書士法人代表 司法書士

 

 

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家賃滞納という貧困

家賃滞納という貧困

太田垣 章子

ポプラ社

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