今や医師でさえ副業を推奨される時代。医師の資産形成の方法は「不動産投資」が最良と言われ続けているものの、やはり数千万円、数億円単位のお金を動かすとなると躊躇してしまうのは当然でしょう。実際に投資用物件を購入した医師は、どのようにハードルを乗り越え、どのような成果を得たのでしょうか。3人の医師に実際のエピソードを聞いてみました。

節税のために「約5000万円分の物件」を購入

A医師は、救急指定病院で整形外科医として勤務しています。現在は独身ですが、「いつかは結婚したい」と考えています。

 

しかし、職場は救急指定なので夜中に呼び出されることは日常茶飯事、デートはおろか、パートナーに出会う機会すらありません。それに加えてクレーム対応も多いため、人間不信にも陥り気味です。

 

そんなA医師のストレス解消法は所有する高級外車でのドライブですが、運転するのは通勤のときぐらい。「こんな日々がいつまで続くのか…」と落ち込むばかりです。

 

結婚して家庭を持ったら、将来に対する保証も必要です。「未来のために今から資産形成しておかなければ」と、A医師は一念発起します。

 

すでに不動産投資を実践していた先輩から「マンションを買えば節税になる」とすすめられ、新築マンション2戸(合計約5000万円)を購入しました。

 

ローン返済などの支出を差し引くと毎月2万円程度のマイナスになりますが、確定申告を行うことで数十万円の節税になる試算になります。

 

しかし、経営サポートを依頼していた管理会社が音信不通となり、A医師は3年間も確定申告を放置せざるを得ない状況に陥りました。

 

とはいえ、確定申告は5年間遡って行うことが可能です。A医師は新たに契約した管理会社のサポートを受けて過去3年分をまとめて申告し、約300万円の還付を受けることができました。

 

 

開業資金のため生活費を削っていたが…14戸買った結果

小児科医のB医師はベテランにもかかわらず、4つのアルバイトを掛け持ちしていました。家族は奥さんと子ども4人。奥さんは薬剤師で、長男は研修医、その下の長女・次女は看護師、次男は医大生という医療系家族です。

 

B医師の夢は、家族全員で小児科病院を開業することです。開業資金を蓄えるため節約し、普段の生活は質素を極めます。通勤は自転車、お酒やたばこもたしなみません。まさに「仕事が趣味」といった感じの人です。

 

子どもが好きで長年小児科医を続けていますが、親御さんの中には非協力的な人や最初から感情的で取り乱している人も多く、診療以上に神経をすり減らすこともあります。

 

そんなB医師が不動産運用に興味を持ちはじめたのは、これまで行っていた株の運用で思うように利益が上がらず、旨味が感じられなくなっていたときです。

 

いくつかの不動産会社で話を聞き、その中の信頼できそうな会社から新築マンションを1戸購入しました。実際に賃貸運用してみると、ほぼノータッチで節税できることに面白さを感じました。毎年買い足していき、現在は14戸のマンションを所有しています。

 

物件管理はそれぞれ別の管理会社に委託していましたが、14戸の立地が同じエリアにまとまっていることから、B医師は自ら管理会社を設立して法人として節税することを思いつきます。

 

そして将来の小児科クリニック開業を見据えて、法人化の定款には「不動産管理」のほか「医療コンサルタント」も加えました。あとはクリニックに相応しい物件を見つけて購入するだけです。

 

激務でギブアップ寸前…第二の収入源として買った物件

C医師は内科の勤務医で、大きな民間病院で多忙な日々を過ごしています。趣味は海釣りで、毎年2回は海外へ大物を狙いに出かけており、近年はインドネシアのバリ島やモルディブへ遠征しています。

 

そのため東南アジアの不動産事情にも詳しくなり、「いずれはカンボジアでクリニックを開業し、貧しい人々にも日本の医療を提供したい」という夢を描いていました。

 

毎日診療を行い、当直もこなす過酷な労働条件の中で、「もしかしたら自分はうつ病かもしれない」と考えるまで追い詰められたC医師。

 

妻と2人の子供との暮らしを支える副収入として不動産投資を選びました。

 

営業担当者からすすめられるまま「まぁいいか」と最初に購入したのは2000万円のワンルームマンションです。家賃保証を付ければ空室の心配はなく、管理や入居者募集は不動産会社がやってくれるので想像以上に楽な印象です。それでいてしっかり節税できる点も魅力です。

 

その後、C医師は投資用マンションを追加購入して合計4戸所有し、病院でのアルバイトを減らすことができました。

 

次に目指すのは夢の実現です。C医師はカンボジアの首都プノンペンにある9階建てテナントビルを購入します。

 

そして、その中の1フロアを内科クリニックに改修し、現地の日本人富裕層をターゲットとしたクリニックを開業したのです。

 

カンボジアの通貨は「リエル」ですが、実際に流通している通貨は米ドルです。新興国の通貨はインフレの心配がありますが、価値が安定した米ドルなら安心してビジネスが行えます。さらに、現地の収益を米ドルのまま送金できるのも魅力です。

 

C氏は医師としてのアルバイトをさらに減らし、日本とカンボジアを行ったり来たりの日々を送っています。

「医療一筋」を脱却してこそ、医師人生が充実する時代

不動産投資によって自らの夢を実現した先輩医師たちの経験談はいかがでしたでしょうか? いずれも今は理想的な運営状態に至っていますが、その途中段階には紆余曲折もありました。

 

たとえば、勤務先の看護師や患者から「医師が金儲け(不動産投資)をするなんて」と陰口を言われ、自分自身の倫理観について悩むこともあるでしょう。

 

そのような局面に立たされたある医師は、「医療と不動産のシナジー効果を信じて、医師と不動産ビジネスという2足のわらじを履く」という固い決意をしたといいます。

 

昨今では「働き方改革」などと称して、政府さえも副業を推奨する時代です。医療分野での夢を実現させ、豊かな暮らしを送るためにも、今こそ「心の壁」を打ち破るときではないでしょうか。

 

 

大山 一也

 

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