ゼロ金利時代において預貯金は賢い資産形成の方法とは言えません。高所得で税負担が重い医師こそ、着実な資産形成が重要です。その1つが投資であり、なかでも最も親和性が高い方法が不動産投資。資産価値が安定していて、建物の管理もプロに任せられるので手間がかからず、何よりも医師という職業柄、信用力が高いために金融機関の融資が有利だからです。融資額こそ、不動産投資でより多くの収益を得るカギです。シミュレーションとともに、医師だからこそできる「融資を活用した資産運用プラン」を見ていきましょう。

医師ならではの「高額融資」で家賃収入を大幅アップ

投資用不動産とひと言でいっても、どのような属性の物件を選ぶかによって資産運用法は変わってきます。新築物件であればメンテナンス費用はかかりませんが、価格が高いため利回りが低くなります。中古物件は価格が安く利回りは高く取れるものの、老朽化を抑えるためのリフォームは必須です。そして何より、これらの不動産を購入するための資金計画が最も重要なのです。

 

たとえば、年収1500万円の医師が金融機関の融資を利用するのであれば、収入の約20倍にあたる3億円程度まで融資してくれる金融機関は数多あるでしょう。これは医師という職業だからこその待遇であり、一般的に高収入といわれる業種のサラリーマンでもこれほどの高額融資は受けられません。

 

不動産運用の最大の武器ともいえる「レバレッジ(テコの原理=少ない元手で大きな運用を得る)効果」を上げるためにも、医師ならではのアドバンテージを大いに活用するべきです。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

ここで、年収1500万円の医師が不動産投資によって「資産10億円達成」を目指す場合の資金計画をシミュレーションしてみました。1棟マンションなどグロスが張る賃貸物件を運用すれば2年程度で目標達成できますが、「不動産投資は初めてなので、グロスの大きい物件は経験値がついてから実践したい」と躊躇される人も多いかと思います。そんな人たちのために、3年から5年をかけて資産10億円を可能にするプランを紹介します。

 

3年間で資産10億円を目指す「じっくりプラン」

【1年目:中古区分マンションを2戸(A・B)購入】

●中古区分マンションA

購入価格:4000万円

購入時の自己資金(頭金):2000万円

借入額:2000万円

家賃収入:年額144万円(月額12万円×12ヵ月)

 

●中古区分マンションB

購入価格:4000万円

購入時の自己資金(頭金):2000万円

借入額:2000万円

家賃収入:年額156万円(月額13万円×12ヵ月)

 

⇒1年目の投資収益(家賃収入)は300万円(A:144万円+B:156万円)となり、医師の給与年収1500万円と合算すると総額1800万円になります。この段階で3億6000万円の借入れ(年収総額1800万円×20倍)が可能となり、そこにA・Bの購入価格8000万円(4000万円+4000万円)を加えた4億4000万円の資産形成が可能になります。

 

【2年目:富裕層向け中古マンションCを購入】

購入価格:1億円

購入時の自己資金(頭金):2000万円

借入額:8000万円

家賃収入:年額720万円(月額60万円×12ヵ月)

 

⇒2年目の追加投資収益は720万円となり、給与収入とその他の投資収益と合算すると総額2520万円(給与1500万円+A・Bの投資収益)になります。この段階で5.04億円の借入れ(年収総額2520万円×20倍)が可能となり、そこにA・B・Cの購入価格1.8億円(4000万円+4000万円+1億円)を加えた6.84億円の資産形成が可能になります。

 

【3年目:中古事務所Dを購入】

購入価格:1.5億円

購入時の自己資金(頭金):2000万円

借入額:1.3億円

家賃収入:年額1080万円(月額90万円×12ヵ月)

 

⇒3年目の追加投資収益は1080万円となり、給与収入とその他の投資収益と合算すると総額3600万円(給与1500万円+A・B・Cの投資収益)になります。この段階で7.2億万円の借入れ(年収総額3600万円×20倍)が可能となり、そこにA・B・C・Dの購入価格3.3億円(4000万円+4000万円+1億円+1.5億円)を加えた10.5億円の資産形成が可能になります。

 

このように、3年目にして10億円以上の資産形成が可能となりました。ここまでに投資した自己資金総額は8000万円で、借入総額は2.5億円となりますが、3600万円の年収があれば無理なくローン返済が続けられます。

 

5年間で資産10億円を目指す、リスクを抑えたプラン

無難に新築マンション1戸からはじめるプランもあります。何といっても、不動産運用において一番怖い「空室」のリスクが低いのが新築物件です。1戸所有では空室になった段階で収入ゼロになりますが、新築物件の場合はよほど立地や間取りが悪くない限り空室に悩まされることはありません。

 

【1年目:新築区分マンションEを購入】

購入価格:5000万円

購入時の自己資金(頭金):3000万円

借入額:2000万円

家賃収入:年額210万円(月額17.5万円×12ヵ月)

 

⇒1年目の投資収益は210万円となり、医師の給与収入1500万円と合算すると総額約1710万円になります。この段階で3億4200万円の借入れ(年収1710万円×20倍)が可能となり、そこにEの購入価格を加えた3億9200万円(5000万円+3億4200万円)の資産形成が可能になります。

 

さらに、ローン返済額や物件維持費を差し引いた収益額を見てみましょう。

 

●ローン返済額:年額121万円(借入額2000万円を金利2%・20年間で返済した場合)

●物件維持費:年額14万円(管理委託費など)

●収益額:家賃210万円-(ローン返済額121万円+物件維持費14万円)=75万円

 

年間収益は75万円となりますので、資産運用として成功していることが分かります。このように、新築マンション1戸から不動産運用をはじめた医師の多くは、無理のない範囲で新築マンションや利回りが高く値の張らない中古マンションに追加投資し、また資産価値を高めた上で売却しながら、次のようなステップで資産10億円に到達しています。

 

【2年後:新築マンション5戸(資産総額2億5000万円)】

【3年後:新築マンション5戸+中古マンション10戸(資産総額3億5000万円)】

【4年後:新築マンション10戸+中古マンション20戸(資産総額7億円)】

【5年後:新築マンション15戸+中古マンション25戸(資産総額10億円)】

 

※新築マンション1戸当たりの購入価格を5000万円、中古マンション1戸当たりの購入価格を1000万円と想定。

 

<まとめ>

●医師は金融機関から、収入の20倍程度の不動産購入融資を受けることができる。

●融資を巧みに活用してレバレッジ効果を高めれば「資産10億円達成」も夢ではない。

●億を超える融資を受けられるものの、「慎重に運用したい」という投資初心者は「じっくり3年」や「リスクを抑えた5年」など、自分にあった資金計画で進めることも可能。

 

 

大山 一也

 

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