ファイナルファンタジー、キングダムハーツ、スーパーマリオシリーズなどの制作に携わった菱沼寛章氏は書籍『ゲームは子育てを助けられる ゲーム制作から考える子育て攻略本』のなかで、ゲームと教育の意外な関連性を指摘しています。

わが子に「あれやってほしいな~」と思ったとしても

■「仮説」を立て「試作」して〇×を決める

 

「やってほしい」○×を漠然と決められても、どこまでを核として「コンセプト」を決めるかの判断は難しいところです。

 

ゲーム制作でも、「コンセプトはこれだ! これでいこう!」とすぐに思いついて決まる場合もありますが、なかなか落としこめない場合のほうが多いと思います。鮮やかに「コンセプト」が決まったものの、いざつくってみると意外としっくりこなかった、なんてこともよくあります。それは、狙い通りにつくったり進めたりすることは難しいことだからです。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

しかし、ゲームでは、これらのさまざまなケースに対応できる有効な手があります。それは、「試作」をしてみることです。コンパクトに試してみればいいのです。ゲーム制作において、「コンセプト」を適当に決めて、ある程度進めた後から「やっぱり違った、こっちだった」と途中で方針転換してしまうと、そこまで進めたものが無駄になり、そこからさらに労力なり時間なりのコストが積み上がることになります。

 

「コンセプト」に立ち戻り、うまく舵取りができればよいのですが、大きな進路変更や完全なやり直しは、その判断が遅れれば遅れるほど、ダメージやストレスが大きくなって返ってきます。

 

より事態を悪化させる展開は、大きくやり直したくないあまり「せっかくここまでやったのだし」と積み上げた一部を無理に流用したり、いまできることを優先して変更したりして、もともと目指していた「やってほしい」と関係ないところへ向かってしまうことです。

 

そのままゲーム制作を進めても良い方向に向かない上に、大きな成功が見込めないまま続けるので、制作にかける熱意や精度がどんどん下がっていってしまいます。こうなると何がしたかったのか誰もわからない流れになり、面白くならないまま世に出てしまう不幸なゲームもまた数多く見受けられます。

 

このように、やみくもに進めて一番良くないのは、無駄にお金や時間がかかることではありません。お子さんにとって、より適した○×があるかもしれないという未来や可能性を潰してしまうことです。

 

そんな(そのような)トラブルを最小に抑えるためにも、ゲームでは大きなものをいきなり組み上げるのではなく、小さく試して確認をしていきます。これを「試作」と呼んでいます。

 

やり直しや修正がしやすい状態で「試作」を進めれば、冷静にその結果の判断をすることができると思います。最初に提示した〇×が失敗したとしても「やり始めたら最後まで」という呪いにかかることもないですし、その修正判断が早ければ、より適した○×に触れるチャンスやほかのやり込める時間が増えることになります。

 

ただし、自由な「試作」を行う前にやるべきことが一つあります。それは、「試作」の前には必ず「仮説」を立てることです。「コンセプト」の種として考えてください。

 

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『ゲームは子育てを助けられる ゲーム制作から考える子育て攻略本』より一部を抜粋したものです。最新の税制・法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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