「みんなやってるから」で何となく決めない
予想と近いのか遠いのか、「仮説」がないと判断ができません。とはいえ、テストのように点数や正解不正解を求めるものではなく、その過程のなかでお子さんへの理解を深めていき最適な「やってほしい」ことへ近づくことが大事です。
これを繰り返すことで、お子さんへの見方に柔軟性が増してきます。お子さんに「やってほしい」ことなのですから、お子さん自身に「どうなりたいのか?」を聞いてみたり一緒に考えてみるのも良いかもしれません。
お子さんに「やってほしい」○×の核、「コンセプト」が親御さん自身で決められなくても、本人の様子を見たり相談しながら決めていけば自然とまとまっていくはずです。
ゲーム制作でも、ディレクターが一発で「コンセプト」を決められなければ、チーム内で意見や提案のやり取りをしながら決めることもあります。これも「仮説」と「試作」という意識があるだけで進めやすくなりますし、世にある多くのことに興味を持ち、いろいろな視点で見たり考えたりする癖がついてきます。それは「気づき」として役に立つので、お子さんの新しい面にも出会えるかもしれません。
世のお子さんのすべてが、勉強が好きなわけでも、スポーツができるわけでもありません。「仮説」と「試作」の数が積み上がるほど、常識にとらわれない「個性的な」お子さんであることが期待できそうです。
■ポイントまとめ
個性の強さや多様性を求める時代だからこそ、お子さんに「やってほしい」〇×を、みんなやってるから、程度で何となく決めてしまうのはもったいないです。
お子さんに適した将来の「武器」は何なのか、「仮説」を立てて「試作」をし、何度も結果を確認することになっても、「やってほしい」ことの核である「コンセプト」を見つけるべきだと考えます。「試作」が失敗し続けても、積み上がった「仮説」や過程が、お子さんを知りうる財産になるはずです。
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菱沼 寛章
1973年1月27日生まれ。宮城県仙台市出身。仙台第二高等学校卒業、明治大学理工学部電気電子工学科卒業。大学卒業後、スクウェア(現 株式会社スクウェア・エニックス)入社。ファイナルファンタジー、キングダムハーツなどの制作に関わり、2010年 任天堂株式会社に中途入社。スーパーマリオシリーズ、3タイトルなどに関わり、2019年までの22年間、ゲームプランナー業務に従事。現在もフリーランスで継続中。
【関わった主なゲーム】
ファイナルファンタジーⅧ、X、X―2、XⅢ
キングダムハーツ
進め!キノピオ隊長
スーパーマリオ3Dランド、3Dワールド 、スーパーマリオオデッセイ
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