ファイナルファンタジー、キングダムハーツ、スーパーマリオシリーズなどの制作に携わった菱沼寛章氏は書籍『ゲームは子育てを助けられる ゲーム制作から考える子育て攻略本』のなかで、ゲームと教育の意外な関連性を指摘しています。

「ピアノを習わせたほうがいいのかな…?」の思考実験

いくつかの「仮説」から何度か「試作」を繰り返していくうちに、そのなかから正しい、合っていると思われる「仮説」が出てきます。それを元に「コンセプト」を打ち立てましょう。「仮説」は正しくなくてもいいのです。むしろ、過程の確認や失敗から得られる発見に重点をおいています。

 

それでは、仮説と試作の簡単な例を書いてみます。

 

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■○×での、「仮説」と「試作」の例

 

最初に考えた漠然とした「やってほしい〇×」

子どものころから鍛えておいたほうが良さそうなリズム感を養うべく、何かしら「楽器は演奏できたほうが良い」気がする。小学校に入ったタイミングでピアノでも習わせてみるか?

 

「仮説」(もしかしたら)

楽器をやらせたいが、ピアノは習っている人が多い。本人にやりたい楽器を選ばせたほうが、個性にもつながるのでは?

 

「試作」(やってみよう)

さりげなく楽器店に連れて行き、興味ありそうな楽器を確認してみる。その後、その楽器の簡易版もしくは安価なものを買い与えてみて本当に興味があるのか、1ヵ月ほど様子を見てみる。

 

「結果」(やってみた)

いろいろな楽器を見て回っていた。楽器に興味を持っていることは確実だろう。ピアノを触ってはいたが、すぐに離れた。見た目が華やかなせいか金管楽器に向かう。が、最終的に興味あったのはバイオリンのようだ。

 

結果を踏まえた「やってほしい○×」

本人の楽器への興味が好感触だったので「バイオリンを小学生の間は続けさせる」を進めてみる。

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どうでしょうか? 楽器店に連れて行く、くらいのお試しなら日常でも行えると思います。「試作」の楽器店で楽器に興味示さなくとも、いろいろなジャンルの曲や音を聞かせたり、さりげなく音楽番組を見せたりコンサートに連れて行ったりするなど、次々と別な「試作」に進められます。

 

え? こんなこと? もっと良い試し方があるぞ、と思われたのなら、それを進めてもらうのが良いと思います。「試作」とはその名にある通り「試みる」ことなので、大事なことはどんなキッカケでも思いついたら行動につなげることです。

 

「失敗できない」よりも「何度でもやり直せる」という状況から始めると、気が楽ではないでしょうか? ですが何となく試すのではなく、新たに「試作」を進める前には必ず「仮説」を立てる必要があります。これは、お子さんに関してのテストをつくっていると考えてみてください。

 

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『ゲームは子育てを助けられる ゲーム制作から考える子育て攻略本』より一部を抜粋したものです。最新の税制・法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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