高齢世代の老後を若年世代が支えるという社会システムが、実質継続不可能になった日本。シニア層は自身の生活を社会に頼ることがむずかしくなりました。もはや多くの高齢者には、「生きている限り働き続ける」という選択肢しか残されていないのが現実です。高齢者の置かれたシビアな状況について取り上げます。

「老後への備え=終活」必須の時代が到来

超高齢化社会で高齢者が抱えている問題のほとんどは「お金」と「人間関係」です。「おひとり様」やご高齢のご夫婦二人暮らしの方々が安心して老後を暮らすには、認知機能がしっかりしているうちに、病院に入院するときや介護施設に入所するときに保証人を誰に頼むか、遺産相続、お葬式をどうするかなどについて決めておくことが大事です。

 

「終活」は、「人生の終わりのための活動」であり、まさにこうした問題を元気なうちに考えるということです。「終活」という言葉は2009年、「週刊朝日」で使われたのが始まりです。次第に広まり、いまでは知らない人はいないくらいポピュラーな言葉になりました。ここまで広まった理由は、多くの人が潜在的にもっていた問題意識に「刺さった」からでしょう。

 

2009年当時はまだいまのように「おひとり様」も多くなく、高齢者の孤独死がニュースになることもあまりありませんでしたが、時代が確実に「老後を支えるのは子ども世代」から「自分の老後は自分自身で背負うしかない」方向へと移り変わっていくのを、誰もが肌で感じ取っていたのだと思います。さらに「終活」という言葉が切実に感じられる人の数、つまりは高齢者の数が増えたことで誰もが知る言葉になりました。

高齢者が抱える問題は「孤独・生きがいのなさ・お金」

「終活」という言葉は知っていても、「終活なんて縁起でもない。まだ早い」「そもそもなにをするのが終活?」と思っている方も多いのではないでしょうか。終活の要素は多岐にわたっており、ご高齢になってそろそろ終活をしようかと思っても、書類手続きや決断しなければならないことが多く、自力で行うのはかなり大変な作業です。

 

高齢者が抱える主な問題は「孤独」「生きがいのなさ」、そして「お金」だと私は感じています。住んでいる地域に信頼できる知人がいない、生きがいになる仕事や趣味もなく長生きしたいわけでもない、貯金を切り崩してもいつまで続くか。このような悩みを抱えて長生きしたい方はいないでしょう。

 

終活は、すべての方が遅かれ早かれ死ぬ前にやらなければならないことです。終活を早めに始めれば楽しい老後が待っている。そのことをご自身が実感して、より多くの人に広めていくことが重要なのです。

 

 

竹内 義彦

一般社団法人終活協議会 代表理事

 

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    ※本記事は、竹内義彦氏の著書『終活スペシャリストになろう』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

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