(※画像はイメージです/PIXTA)

超高齢化社会となった日本においては、多くの方が親族の葬儀やお墓をどうするかに頭を痛めています。しかし近年の「葬儀・お墓」事情は、昭和時代の常識からは大きく変化し、より負担の少ない方向へとシフトしています。令和時代の葬儀・お墓事情について「終活スペシャリスト」が解説します。

ご逝去から精進落としまで…葬儀の「一般的な流れ」

ひと昔前まで葬儀は大々的にお金をかけて行うことが多かったですが、近年はお通夜も告別式もせず火葬場で送り出す直葬や、お通夜をしない一日葬、また家族だけで送る家族葬などが増えており、規模が縮小してきています。その傾向に拍車をかけたのが2020年の新型コロナウイルス感染症の大流行です。「密」を避けるため葬儀の規模は大幅に縮小。葬祭場に行かなくてもお弔いができるオンライン葬儀も登場しました。

 

葬儀の規模の縮小が続いているのは、多くの方が葬儀費用の高額なことに疑問を抱くようになったことも大きな一因でしょう。実際、よほど何度も葬儀を経験している人でもない限り、なににどれくらいの費用がかかるのかが分かりません。また、短時間で多くのことを決めなければならないので、見積もり書を出されてもゆっくり検討する時間もありません。するとどのようなことが起こると思いますか? 言葉は悪いですが、葬儀社の言い値に従うしかないという事態が起こり得ます。

 

葬儀社は全国に約7000社あるといわれます。なぜこれほど数が多いのかというと許認可制度がないためです。やろうと思えば誰でも始めることができ、料金の規制もないのでサービスも料金もピンからキリまでさまざまです。

 

多くの方が「いくらなんでもお葬式にこんなにお金がかかるのはおかしいのではないか?」と思うようになったのは、とてもいいことだと思います。今後は「ぼったくり」をする業者は駆逐され、まともな業者だけが残っていくようになるでしょう。

 

なお、日本の葬儀は仏式が圧倒的に多く(約88%)、神道式・友人葬が約3%、キリスト教式約1%、無宗教(約2%)となっています。

 

葬儀の一般的な流れは、図表1のようになります(一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会「全互協冠婚葬祭1万人アンケート」2011年以降より)。

 

[図表1]葬儀の一般的な流れ

 

一般的な従来型の葬儀にかかる費用は、大手の場合200万円くらい、地元密着の小さな葬儀社の場合は100万円くらいと考えていただくといいでしょう。なお、家族葬だからといって費用が安くなるかというとそういうわけではありません。また弔問客がいないためお香典がなく、お葬式を出す側の金銭的負担はむしろ重くなります。

亡くなった場所から火葬場へ直行する「直葬」もある

直葬はお通夜や告別式などを行わず、病院や自宅など亡くなった場所から火葬場へ直行するお弔いの方法です。

 

直葬の流れは次のようになります。

 

(1)遺体を搬送して安置する

自宅または火葬場など、遺体の搬送先と安置する場所を決めておく必要があります。

 

(2)納棺

遺体を納棺します。葬儀社に頼むとお棺を準備してもらえますが、すべてを自分で執り行う場合はお棺を購入する必要があります。通販などで購入することが可能です。

 

(3)火葬

火葬場で導師にお経を上げてもらうことができます。読経を希望する場合は、事前に葬儀社もしくは菩提寺に連絡するようにしましょう。

 

(4)お骨上げ

火葬に立ち会った近親者や友人・知人でお骨上げをします。箸でお骨を拾うのは「あの世への橋渡し」の思いが込められているといわれています。

 

直葬の場合にかかる費用は首都圏と地方では差がありますが、20万円をみておけば大丈夫でしょう。地方では10万円程度でできるところもあるようです。

 

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竹内 義彦

幻冬舎MC

最後まで自分らしくより良く生きるための日々の活動である終活に、今、注目が集まっています。 終活で行うべきことは多岐にわたり、一人ひとり異なります。老後に起こるさまざまな問題に対して、自力でもれなく準備をするの…

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