日本人の平均寿命は延び続け、だれもが認知症リスクや老後資金不足の不安を抱える時代となりました。自分の人生の終盤をどのように生きるか、そしてその希望を実現するために必要な手立てはなにか、真剣に考える必要があります。日本人の「終活」にまつわる問題を、実例を交えて解説します。

人生の後半戦「どのような暮らしをするか」考えてみる

「生涯現役を貫きたい」と言う方がよくいらっしゃいます。2021年4月より改正高年齢者雇用安定法が施行され、65歳までの雇用確保と70歳までの就業確保(努力義務)が企業に義務づけられました。サラリーマン生活だけで生涯現役を貫くことも可能な時代になってきました。定年の区切りのときに、会社にそのまま勤め続けるか、辞めて新たな生活を始めるか、決断を迫られます。

 

会社勤めを続ける場合でも、出勤日数や勤務時間を短縮する場合、給与は定年前より下がります。

 

厚生労働省の「平成20年高年齢者雇用実態調査結果の概況」には、「継続労働者の賃金を定年到達時の賃金と比較すると、それぞれの事業所で最も多いケースは、勤務延長者は『同程度』が69.4%、『8~9割程度』が13.0%、『6~7割程度』が9.7%となっている。

 

これに対し、再雇用者は『6~7割程度』が34.8%、『8~9割程度』が23.6%、『同程度』が21.7%となっている」というデータがあります。会社勤めを続ければ老後資金の不安は解消、というわけにはいかなそうです。

 

人生の後半戦、どのような暮らしをするかを考えて準備することは、終活の始まりといえます。70歳まで一つの会社を勤めあげる選択もよいと思います。自分の趣味の時間を増やしながら、地域でできる仕事を探すのもよいでしょう。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

想像以上に、多くの問題への対処が必要な「終活」

終活は「すべての方が遅かれ早かれ死ぬ前にやらなければならないこと」です。終活について学ぶことは、自分の終活のため、そして周りの人の終活のために役立ちます。

 

「あなたにとって終活とはなんですか?」と質問をすると、さまざまな答えが挙がります。

 

「自分の人生を締めくくるのに大切なもの」「終活をしないまま亡くなると、周りの人に迷惑がかかるのでやらなければいけないもの」といった心構えの部分に焦点を当てた答えから、「エンディングノートを書いて、自分の死後、遺された人が困らないようにすること」とか「いらないものを捨てて、いわゆる『生前整理』をしておくこと」などの具体的行動に関することまで、バリエーションに富んでいます。

 

個々の答えはどれも間違ってはいません。全部正解です。しかし「それだけでは足りませんよ」とお伝えさせていただくことがほとんどです。自分の人生を充実させ、自分らしく人生を終えたいと思ったら、想像以上にたくさんの問題に適切に対処していかなければならないからです。問題がどんな形で自分に降りかかってくるかはなかなか想像ができません。そのため、いま思いつく終活準備はごく限られたものになってしまいがちなのです。

 

では終活準備が足りていないと、どのようなトラブルが起こり得るのか、具体例を見ていきましょう。

 

なかには「ええっ? こんなことも終活に含まれるの?」と思うケースもあるかと思います。終活で考えておくことはお葬式とお墓と相続だけと思われている方も結構いらしゃいますが、人生の終わり支度としてやるべきことは多岐にわたります。

 

自分の理想的な未来を想像し、それを実現するために、いまからなにをしておかなければならないかを考えるのが終活ともいえます。ご紹介するどのケースも、きちんと終活準備をしておけば防げるトラブルです。トラブル防止策も合わせてご紹介しましょう。

 

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