赤字社員が「ホウレンソウ」を嫌う呆れた理由
このように、周囲への伝達事項ひとつとってみても、赤字社員と黒字社員を見抜くことができます。仕事において重要な報告・連絡・相談。いわゆる「報・連・相(ホウレンソウ)」。赤字社員には、この「ホウレンソウ」が嫌いだという「お子ちゃま」的な特徴があります。
この人たちは周囲が先に取りかかって欲しいと思っている業務を後回しにし、自分の気が向いた業務から取りかかってしまいます。そのため、同僚の残業コストや上司の時間コストまで追加で発生させてしまい、しかも、そのことにまったく気づいていません。
一方の黒字社員は、「ホウレンソウ」の重要性を理解しています。上司とのコミュニケーションを積極的に図り、上司から与えられる仕事の意味をきちんと考えています。そして、常に周囲が効率的に仕事ができるように、自分が取りかかるべき業務の優先順位を理解しているのです。
周囲の役に立ちそうな自分の仕事や情報は進んでシェアし、また、自分がやってしまったミスについてもオープンにして、周囲が同じミスをしないように計らいます。その結果、周囲の「考える」時間を削減して、業務の効率化に貢献しているのです。
たとえば、ある文書のフォーマット作成に1時間かかるとしたら、それをみんなが共有することで、各自の1時間分のコストを浮かしたことになります。
そのフォーマットを使う人が1人増えれば、使った人の1時間分のコストだけ、会社に利益貢献したことになるのです。つまり、自分のたったひとつの仕事をより多くの同僚に共有してもらうことによって、会社への利益貢献がドンドン高まるのです。
そのために黒字社員は、周囲の人が自分の仕事を共有しやすいように、ひとつひとつの仕事が非常に丁寧です。常に周囲のことを意識し、自分の仕事でより多くの人をラクにしてあげましょう。
赤字社員、黒字社員の終業時間以降の成績
赤字社員、黒字社員、ほかの同僚(10人)の1時間当たりの給与は、1,600円/上司は3,200円
※残業は通常の1.25倍として計算
・赤字社員 自分は定時で帰宅し、上司や同僚にムダな残業を指示した。
生み出した価値
0円
黒字社員、ほかの同僚の残業コスト(2時間)
1,600円 × 2時間 × 1.25 × 11人 = ▲44,000円
上司の残業コスト
3,200円 × 2時間 × 1.25 = ▲8,000円
↓
0円 - 44,000円 - 8,000円 = ▲52,000円の赤字
・黒字社員 上司に仕事を頼まれてから、1時間で解決。上司・同僚の残業を1時間で食い止めた
生み出した価値
1,600円 × 1時間 × 1.25 × 11人 = 22,000円
3,200円 × 1時間 × 1.25 = 4,000円
↓
22,000円 - 4,000円 = 26,000円の黒字
2人の差は1業務当たり78,000円
香川 晋平
K&P税理士法人 代表社員
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