50年生きていると、自分の好きなこと、嫌いなことは明確になってきます。嫌いなことを辛抱するのはやめ、好きなこと、楽しいことを率先することが「実る人」になるためには不可欠。また、実る人ほど「謙虚」「素直」です。エゴを感じさせない「実る」大人について、筆者が出会った大物野球選手の実例も挙げながら解説します。※本連載は松尾一也著『50代から実る人、枯れる人』(海竜社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

実る人ほど「謙虚」「素直」である

【50代から枯れる人=すぐ傲慢になる

 

この世の黄金律のひとつが、実る人ほど「謙虚」「素直」であるということです。

 

「実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」多くの人が知っているフレーズです。

 

ところがわかってはいるけど常に謙虚で素直でいられるか…難しい課題です。実際にこの人の謙虚さ、誠実さは筋金入りだと感じた最たる人物が王貞治(おうさだはる)さんです。

 

本来はそうそう講演を受けられない王さんですが、ある企業の100周年式典で特別にご講演をしていただく機会に恵まれました。

 

最初に出逢った時も、あの慈眼で丁寧に挨拶をしていただき、控室での打ち合わせ中もじっくりとこちらの話を聴いてくれました。

 

そして講演が始まる直前に私のところへ近づいてきて「もう一度、正式な会社名を教えてください」と確認されました。

 

何事も軽視していない証拠で、なんて篤実(とくじつ)な人だろうと感服しました。

 

さらに、もう一度、講演会をご一緒する機会があった時は、質疑応答で王さんの友人の方が場を盛り上げようと、「ご家庭での娘さん3人へのユニークな裸の教育法を紹介して欲しい」と要望しました。

 

本来ならためらう「風呂上りは裸で登場する」といったプライベートな話も、またまた王さんは真摯(しんし)にかつ愉快に教えてくれました。

 

いつでもどこでも素直な紳士なのです。

 

中途半端に大物然としている人は傲慢で威張った人が多いものですが、日本で最も尊敬を集めている人物が類をみない謙虚さを持ち合わせていることに多くを学びます。

 

謙虚な人は自己承認欲求を抑えられて、エゴを感じません。50代はそんな大人になりたいものです。

 

 

松尾 一也
株式会社ルネッサンス・アイズ

 

 

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50代から実る人、枯れる人

50代から実る人、枯れる人

松尾 一也

海竜社

50代というのは、仕事においても家庭においてもこれまでと違うことが噴出します。 責任ある大きな仕事を仕切る/子供の教育の総仕上げ/親の介護、看病、見送り…といったライフイベントが迫るかと思えば、一方では、別会社…

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