高学歴でも「仕事ができない」と言われる人がいる一方で、学歴関係なく大いに活躍・貢献する人がいます。この差がどこから生まれるのかを、K&P税理士法人の香川晋平氏の書籍『東大卒でも赤字社員 中卒でも黒字社員―会社が捨てるのは、利益を出せない人』(株式会社経済界)より、編集・抜粋して解説します。

赤字社員と黒字社員の差は「時間感覚」から

このように、時間に対する感覚の違いからも、赤字社員と黒字社員を見抜くことができます。黒字社員は「えっ、もうこんな時間なの?」という意識を持っているのに対して、赤字社員は「はあ、まだこんな時間か?」という感覚で仕事をしています。

 

ですから、上司などから「あの仕事どうなった?」と言われて、慌てて取り掛かる赤字社員の仕事はいつも行き当たりばったりです。そのため、どうでもいいような仕事しか与えられず、いつまでたっても評価されることがありません。

 

一方の黒字社員は、常に「スピード」を意識しながら仕事に取り組んでいます。できるだけ多くの仕事を就業時間内でこなそうと努力します。

 

「今まで1日かかっていた作業を、半日で仕上げるにはどうしたらよいか?」

「2週間かかっている月次決算を10日間で出すにはどうしたらよいか?」

 

日頃から効率的に進めることを考えているため、ビジネスで必要なダンドリ力が自然と身につき、仕事のスピードもドンドン速くなります。上司も仕事を頼みやすいために、ドンドン仕事を振ろうとします。

 

「このレポートを3日後までに出してくれ」

「こういうコンセプトで、明日までに案をいくつか出してくれ」

 

などと、ひっきりなしに仕事が舞い込んできます。このように、忙しい中でも黒字社員は、各仕事に求められている精度、さらには自分の時間当たりのコストがわかっているために、この業務は「どの程度の時間をかけるべきなのか」と考えながら仕事を進め、その業務にかかった時間を気にしているのです。

 

その結果、次々と仕事を覚えて、社内での信頼をドンドン築いていきます。ですから、これからは仕事の精度を上げることはもちろん、ひとつひとつの業務にかかった時間を意識しながら仕事を進めるように心がけましょう。

赤字社員と黒字社員の1日の成績

赤字社員、黒字社員の1時間当たりの給与は、1,600円

上司は1業務=2時間(3,200円の価値)と認識

※1日8時間労働として計算

 

・赤字社員 結局、1日がかりで1つの業務を完了

 

生み出した価値 3,200円 × 1業務 = 3,200円

1日当たりの給与 1,600円 × 8時間 = ▲12,800円

3,200円 - 12,800円=▲9,600円の赤字

 

・黒字社員 1日で8つの業務を完了

 

生み出した価値 3,200円 × 8業務 = 25,600円

1日当たりの給与 1,600円 × 8時間 = ▲12,800円

25,600円 - 12,800円 = 12,800円の黒字

 

2人の差は1日22,400円、月間448,000円

※月労働20日として計算

 

 

香川 晋平

K&P税理士法人 代表社員

 

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東大卒でも赤字社員 中卒でも黒字社員―会社が捨てるのは、利益を出せない人

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香川 晋平

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