住民の高齢化と建物の老朽化という「二つの老い」がマンションを直撃しています。そのなかで、認知症になった女性への対応が問題になった事例を、作家の山岡淳一郎氏の『生きのびるマンション 〈二つの老い〉をこえて』より一部を編集・抜粋して解説します。

なぜ、マンション建設会社がこれほど儲かるのか

そのような不動産・建設業界を政と官が後押しします。政治家は業界の「票」が欲しくてたまらず、官は天下り先に目を輝かせる。政官業のトライアングルが、新築偏重の背景には張りついています。

 

新築の供給過剰に「相続」も絡んで空き家が増えます。最近は核家族化の進展で親子が別々の家を持ち、子は相続した家に住みたがりません。ただ、育った実家に愛着があるので、親が亡くなっても壊したくはない。気がつけば空き家に。

 

あるいは複数の親族の間で、誰が相続するかで揉め、共有したのはいいけれど、売却も賃貸もできないまま放置される。空き家のほうが建物を壊して更地にするよりも固定資産税が少ないので、そのままにされてしまいます。

 

 

山岡 淳一郎

ノンフィクション作家

東京富士大学客員教授

 

 

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生きのびるマンション 〈二つの老い〉をこえて

生きのびるマンション 〈二つの老い〉をこえて

山岡 淳一郎

岩波書店

建物の欠陥、修繕積立金をめぐるトラブル、維持管理ノウハウのないタワマン……。さまざまな課題がとりまくなか、住民の高齢化と建物の老朽化という「二つの老い」がマンションを直撃している。廃墟化したマンションが出現する…

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