団塊の世代が六十五歳以上になる「二〇二五年問題」
この問題を住民総会に諮(はか)るのか、理事の間にとどめておくか、防災会で検討したほうがいいのか、プライバシー保護も絡んで結論が出ていません。認知症の問題はなかなか外に表われないものです。しかし日々、深く、静かに進行しており、待ったなし。マンションはすでに「二〇二五年問題」の渦中に入っているのです。
約八〇〇万人の「団塊の世代」が二〇二五年に一斉に七五歳以上となり、国民の三人に一人が六五歳以上の「超高齢社会」に突入します。それに伴い、医療・介護の施設が大幅に不足し、認知症の人は二〇一五年から二五年までの一〇年間で五二五万人から七三〇万人に激増します。そうした超高齢化がもたらす困難が、二〇二五年問題と総称されています。
二〇二五年問題が深刻なのは大都市圏です。とくに首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)の高齢者人口は一挙に膨張します。二五年までに一七五万人も増えます。これは、全国の後期高齢者増加の三分の一を占めており、六五歳以上の二割が認知症を発症すると予想されています。
首都圏の全住宅に占めるマンション比率は高く、東京都のそれは約三割で全国平均の二倍以上です。高齢者が集まるマンションで認知症の人が増えるのは自明の理。そのままマンションで暮らすのか、ときどき介護施設や病院に入ったほうがいいのか。本人単独の世帯や、夫婦二人世帯で判断するのは容易ではありません。
判断がつかないまま生活に支障をきたした人が誰にも受けとめられず、区分所有者がつくる管理組合に話が持ち込まれます。区分所有者はマンションの専有部分(住戸)の持ち主をさします。
共同の利益を増進し、良好な住環境を保つために管理組合を結成するわけですが、その管理組合が本来の存在目的である「建物の維持管理」のほかに、住民の「終活(人生の終わりに向けた活動)」サポートも視野に入れざるを得なくなってきました。
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