赤ちゃんの頃から「自立」を求める
そうやって、助けを求められてから初めておもちゃを取ってあげるようにしていました。子どもが泣くと、親は焦ってしまいます。「早く泣きやませなくては」と、子どもの言うなりになってしまいます。でも、子どもは悲しいから泣くのではなく、まだ上手に会話ができないから泣くことで自分の意思を表現しているのです。
子どもの泣き声を「会話」だと思えれば、子どもを泣きやませるよりも言いたいことを聞いてあげようという気になりませんか。親の子育ての目標が、「子どもの自立」であるのか、「目の前の子どもを泣かせないこと」であるのかによって、子育ての結果は大きく違ってきます。
しかし、いくら子どもを自立した人間に育てたいからといっても、何もかも幼いときから、自分でやらせていたわけではありません。着替えにしても、幼稚園や保育園の用意にしても、初めから自分ひとりでできるわけではありませんから。
子どもが幼いときには、次の三つを意識していました。
①なるべく子どもだけでできるように工夫をする(絵に描いておくなど)
②声をかけて、自分ひとりでできるようにサポートをする
③待つ
・塾なし自宅学習で中学受験
では、「自分のことは自分でする」ことと「学力」には、どんな関係があるのでしょうか。東大・京大合格には、計算力や読解力、記憶力などのいわゆる「学力」に加えて、「計画力」「障害にぶつかったときの切り抜け方」「時間の段取り」などが必要です。
勉強をするときには、必ず「計画」を立てなければなりません。塾に通ったり、親がすべてを指示すればその必要もないかもしれませんが、それでは本物の学力は身につかないでしょうし、大学での勉強には歯が立たないでしょう。
わが子たちは小学校から塾に通ったことがほとんどありませんでしたので、自分で計画を立て、実行していました。息子たちは中学受験もしましたが、塾なし自宅学習です。
しかし、中学受験は、小学生の息子たちにとって2年間という長い計画でした。私はサポートとして、子どもと話しあいながら、
①中学受験に適した問題集を用意する
②その問題集のページの横に勉強する予定の日にちを書き入れる
ことをしました。
娘は中学からイギリス留学をしていますが、留学の試験も、イギリスの高校受験ももちろん塾なしです。きっといろいろな障害もあったでしょう。にもかかわらず、親に頼ることもなく、自分ひとりで切り抜けていきました。
それは、小さいときから「自分のことは自分でする」ことを習慣づけ、できるまで待つということをしつづけてきたからです。私が何でもやってあげる親であったとしたら、大学受験も留学ももっともっと手がかかっていたでしょう。
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