子どもに「もの」を買い与えてはいけない理由
「お菓子買って」「おもちゃ買って」子どもの「買って買って攻撃」に困っていらっしゃるお母さんは多いことでしょう。子どもが赤ちゃんのときには、欲しい「もの」はありません。欲しいのは、おいしいおっぱいとお母さんの笑顔だけです。
でも、だんだん成長して、世の中のことが見えてくると、欲しい「もの」が出てきます。お菓子だったり、ガチャガチャのおもちゃだったり。親やおばあちゃんが買い与えると、子どももそれはそれは嬉しそうな笑顔を見せてくれます。
そうすると、親もおばあちゃんも幸せな気分になります。だから、もっともっと買い与えたくなります。お菓子やガチャガチャのおもちゃは、たかだか百円か数百円のものだからです。数百円で子どものあふれんばかりの笑顔が見られるのですから、安いものです。
でも、そのあとのことを考えたことがありますか? さて、子どもは何を得るのでしょうか? そうです、「ものが手に入る達成感」「満足感」です。
それを「笑顔」だけで手に入れることができるのです。子どもが満足して喜んだら、それでよいのでしょうか。それは何か違うとわかってもらえると思います。同じ満足して喜ぶでも、積み木で大きなお城をつくった、砂場で大きな山をつくったであれば、そんな違和感はないはずです。なぜでしょうか。
・できる子は自分でつくりだす
私は子育ての基本として、「生産と消費」という考え方をもっています。「生産と消費」というと、経済の言葉で子育てとは関係ないと思われるかもしれません。しかし、そうではありません。
「生産は、自分でつくりだすもの」「消費は、与えられるもの」と考えたとき、あなたは自分の子どもに「生産的な子ども(大人)」になってほしいですか? それとも「消費的な子ども(大人)」ですか? 親であれば、ほとんどの方が前者ではないでしょうか?
「生産と消費」を子育てで言い換えると、「自分でつくりだす」と「与えられたものを受け取るだけ」ということになります。先ほどの例では、おもちゃやお菓子を買うことは「消費」、積み木や砂場遊びは「生産」です。
親からお菓子やおもちゃなど自分の欲しいものを何でも与えられただけの子どもが、将来大人になって「自分でつくりだす」楽しみを見出せるでしょうか。
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