多くの家庭で、親の「老い」はいずれ直面する問題です。ファイナンシャルプランナー・安田まゆみ氏の『そろそろ親とお金の話をしてください 』(ポプラ新書)より親に不快な思いをさせずにお金の話をする方法について解説していきます。

親とお金の話をする方法「母と芸能ニュースを使う」

④ワンクッション挟む

 

お金についての話は、父親がキーマンであることが多いのではないでしょうか。子どもたちを養うために懸命に仕事をして稼いできた父親は、そのプライドから、子どもにお金の心配をされることを嫌がります。

 

きょうだいが多かったり、特定の子どもが介護をになうことになる場合には、父親亡き後の遺産について、ぜひとも遺言を書いておいてもらいたいものですが、面と向かって「遺言を書いてほしい」と言おうものなら、激昂されて終わり、となりかねません。その場合は、母親を味方につけるのも1つの手。

 

娘なら、母親と女同士のおしゃべりの中で、「お父さんに、ちゃんと形で残しておいてもらわないと、お母さんも心配よね?」などと、同意を取りつけておきましょう。その後、父親に遺言の話を切り出した時には、「私も、形で残しておいてもらったほうが安心だわ」と力強くフォローしてくれるでしょう。

 

⑤芸能ニュースから入る

 

親と話す時に意外と役に立つのが芸能ニュースです。テレビや雑誌で取り上げられている芸能人の〝相続トラブル〞や〝介護苦労話〞などを引き合いに出すのもいいでしょう。

 

芸能人の話とはいえ、どの家庭にも通じる問題や構造が必ずあるはずです。「あの家も大変ねえ」と言って「ホントにねえ」と、関心と同意を引き出した上で「ところでウチはどうする……」と切り出すといいと思います。

 

 

安田 まゆみ

元気が出るお金の相談所 所長

 

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そろそろ親とお金の話をしてください

そろそろ親とお金の話をしてください

安田 まゆみ

株式会社 ポプラ社

離れて暮らす親の老いは、子どもにとって心配の種。 そのひとつに「お金」の問題があるが、親子の間でもお金の話はなかなか聞きづらく、つい先送りにしてしまっている人が多い。 だが、もし親が認知症になってしまったら、…

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