単身高齢者世帯の増加で「孤独死」が増える見通し
近年、単身高齢者世帯が増加しています。とくに神奈川県では、ここ10年で7倍に増加しました。不慮の事故が発見されにくいため、神奈川県内の孤独死件数は今後増加していくことでしょう。
賃貸物件で孤独死が発生した場合、親族や積極的に動いてくれることはあまりなく、管理会社で対応を押し進めざるを得ないというのが実状です。
しかし増加傾向にあるとはいえ、孤独死対応に慣れた方は非常に少なく、「関係者が手をこまねいているうちに、事態が悪化していた」という案件も珍しくはありません。
孤独死は対応スピードが非常に重要なのです。そこで本記事では、孤独死の清掃を進めざるを得なくなったオーナーや管理会社に向けて、発生からその回復までの大まかな流れを紹介していきます。
孤独死の発生から現状回復までの大まかな流れ
孤独死発生からの現状回復までの大まかな流れをフローチャートにしたのが[図表1]です。プライベートな空間で発生する孤独死は、対応を進めるうちに想定外の事態が発生することが多いですが、[図表1]内に◇で示した事柄に関しては、どんな場合でも確実に確認し対応を進める必要があります。
次に、要点の解説を進めていきます。
なぜ孤独死の現場は「初期対応」が重要視されるのか
孤独死の発生時、特に意識すべき点は「時間経過とともに事態が悪化していく」ということです。遺体搬出後に残る故人の体液は、害虫と悪臭の発生源となります。そして、被害は該当の部屋だけに留まらず、近隣の部屋にも影響を及ぼし、近隣退去や現状回復費用の増大などの形で金銭的損害を発生させることになるのです。
これを防ぐためには早期の洗浄作業が必要で、多くの特殊清掃業者が体液洗浄や消毒、簡易消臭といったいわゆる「初期対応」を定額料金で提供しています。24時間体制で受付を行う特殊清掃業者も多いため、孤独死発生が判明次第、複数社に連絡して正確な金額と直近で対応な日時を確認し、遺族(支払者)からの了承を得る必要があります。
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