(※写真はイメージです/PIXTA)

火災現場では、燃え煤のなかに様々な物質が含まれています。燃えた際の温度や材料によって含有物は変わるため、入室の際は細心の注意が必要になります。よって、清掃にあたっては特殊清掃業者へ依頼する必要が出でくるのです。本記事では、ダイヤモンドプリンセス号の除染作業に従事した、特殊清掃のプロ集団である「特掃隊」が、火災現場の特殊清掃について解説していきます。

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あまり知られていない「特別清掃業者」の業務内容

特別清掃とは、通常の清掃会社では断られてしまうような案件を清掃する業者を指します。業務内容は非常に幅広く、多岐にわたります。

 

孤独死現場清掃…特別現場清掃と聞いて、思い浮かべる方が一番多いのが孤独死現場でしょう。清掃並びに消臭作業を行います。

 

ペット臭消臭…ペットの糞尿、毛を清掃していきます。実はペット臭を消すことは、特別清掃のなかで最も難易度が高い作業です。

 

ごみ屋敷清掃…1年を通じて依頼される作業です、特別清掃で一番多く依頼されています。主としてはごみの搬出を行い、必要に応じてハウスクリーニング、消臭を行います。

 

火災現場清掃…火災現場では煤臭を落とします。煤は室内細かいところにまでついているため、清掃に手間がかかります。

 

もちろん、上記の業務だけではありません。過去の経験や、様々な知識から、他では断られるような清掃を担当するのが、特別清掃業者です。

 

特別清掃業者がどのような作業を行っているのか? 本記事では火災現場清掃について解説していきます。

「火災現場」の特殊清掃は4セクションに分かれる

火災現場清掃は大きく分けて、4セクションに分かれます。

 

①焼けた家財の撤去
②焼けた部屋の解体
③有害物質除去
④リフォーム修繕

 

特別清掃では主に①~③を担当することが多く、①だけとか、③だけといったように、部分的に請け負う場合もあります。

「火災現場の家財撤去」は、通常の家財整理より難しい

火災現場の家財撤去は通常の遺品整理や家財整理より難易度は高くなります。

 

火災発生後は、様々な物が溶けていたり、材質が何なのかわからない物も沢山あったりします。しかしこれらすべての物を分別しなければなりません。

 

分別作業を確実に行い、ごみを処分しますが、ごみも通常のごみとは扱いが異なり、役所と協議を行い処分します。ここもまた手間です。

火災現場で発生した火災ごみは「特別管理廃棄物」

火災現場で発生した火災ごみは通常のごみとは違い、煤が付いています。煤が付いたものを地中に埋めたら土壌汚染します。したがって、通常のごみとしては扱われません。このようなごみは特別管理廃棄物となります。

 

その性質上特別管理型廃棄物は通常の廃棄物より1.5倍~2倍程度処理費用が高い場合もあります。

 

火災で発生した火災ごみはすべて特別管理廃棄物なのか、といわれると、そうでない場合もあります。この辺りは受け入れ側の判断によって見解が変わります。まず罹災証明を取得し、火災ごみをいつ、どこに出すのか、どのように分けていくのかなど、行政と事前の打ち合わせが必要になります。

火災ごみの処理は基本的には所有者責任

ごみの処理は基本的には所有者責任です。

 

所有者は適正に処分するまでが責任で、自分で処分を行わず、業者に依頼したとしても、その責任は変わりません。ですから依頼した業者がしっかりやらなかった場合は、業者はもちろんですが、排出者責任が課せられます。

 

5年以下の懲役、1,000万円以下の罰金もしくはその両方と非常に重たい刑が科せられますので、火災ごみの説明や、行政との打ち合わせを申し出ない業者は利用しない方が賢明です。

建設業許可を取得した業者にしかできない「解体作業」

残置物の撤去が終わりましたら、解体作業です。このセクションは請負高に関わらず、建設業許可を取得した業者しかできません。

 

解体作業を終えますと、いよいよ特別清掃会社の花型業務である有害物質除去作業です。

 

煤の除去、オゾン燻蒸などを行うことで、ダイオキシンなどの有害物質を除去していきます。

※本記事は特掃隊HP内コンテンツ「HOW TO コラム」より一部を抜粋・再編集したものです。

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