ご自身が一人暮らし、もしくは親族のなかに一人暮らしの方がいるのであれば、「孤独死」は他人事ではありません。本記事では、ダイヤモンドプリンセス号の除染作業に従事した、特殊清掃のプロ集団である「特掃隊」が、特殊清掃業者が、孤独死現場をどのように清掃していくのか、紹介します。

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害虫、ネズミの発生も…特別清掃作業員が抱えるリスク

特別清掃現場は不衛生です。現場内ではあらゆる物が腐敗し、害虫、ネズミなどの発生が多く見受けられます。

 

このネズミの被害が非常に恐ろしく、サルモネラ菌などの病原菌を保有していることが多く感染のリスクがあります。そして、外から侵入してきたネズミには多数のダニが寄生しておりダニがネズミから家に移り住むと一気に繁殖します。

 

もちろん、このダニ達もネズミ同様の病原菌を保有していることが多くあり、勿論ながら、噛まれると感染のリスクがあります。

 

このように、現場内は不衛生な環境が多いため、作業に入る特別清掃作業員達は、多くのリスクを負って作業にあたります。

あまり知られていない「特別清掃業者」の業務内容

特別清掃とは、通常の清掃会社では断られてしまうような案件を清掃する業者を指しますす。業務内容は非常に幅広く、多岐にわたります。

 

それでは、主な特別清掃の業務を見ていきましょう。

 

孤独死現場清掃…特別現場清掃と聞いて、思い浮かべる方が一番多いのが孤独死現場でしょう。清掃並びに消臭作業を行います。

 

ペット臭消臭…ペットの糞尿、毛を清掃していきます。実はペット臭を消すことは、特別清掃のなかで最も難易度が高い作業です。

 

ごみ屋敷清掃…1年を通じて依頼される作業です、特別清掃で一番多く依頼されています。主としてはゴミの搬出を行い、必要に応じてハウスクリーニング、消臭を行います。

 

火災現場清掃…火災現場では煤臭を落とします。煤は室内細かいところにまでついているため、清掃に手間がかかります。

 

もちろん、上記の業務だけではありません。過去の経験や、様々な知識から、他では断られるような清掃を担当するのが、特別清掃業者です。

 

次に、特別清掃業者がどのような作業を行っているのか、実際の施工事例を用いて紹介します。

孤独死現場の特別清掃…最初に行う作業は何か

孤独死現場ではまず、体液の除去作業から始めます。元を絶たなければ臭いの解決はできないからです。

 

防護服に着替え、完全防備状態で消毒剤を巻噴霧してから体液のふき取りを開始します。亡くなった方の体液が体についてしまうと、重篤な感染症を起こしかねないので、万全の注意を払います。

 

体液をウエス等でふき取りを行いますが、人間の体液は油を多く含んでいるので、一度や二度の洗浄では足りません。複数回洗浄を行い、作業が完了するのです。

 

体液を除去後に消毒剤を散布し、荒オゾン燻蒸を行います。ここまでの作業が第一段階である特別清掃と呼ばれる作業です。第一段階が終了すると、室内に入室できる環境が整います。

遺品整理や貴重品捜索…特殊清掃業者に依頼する遺族も

続いては遺品整理作業です。遺族の方が入室して遺品整理や貴重品捜索を行うこともありますが、特別清掃業者に任せる、という方も少なくありません。遺品整理の作業では、貴重品、形見を中心に、お客様の要望の品を探します。

 

貴重品を遺族の方にお渡ししたら、残された家財を撤去します。

 

市区町村の分別作業に合わせて分別作業を進めるのは、時間を要する作業ではありますが、廃棄処分する際にやり直しになるとさらに手間が掛かるため、一発で仕上がるよう、進めていきます。

「消臭作業」は特別清掃業者の腕の見せ所

最後は特別清掃業者の腕の見せ所、消臭作業を行います。まず、臭気の染みこんだクロスを剥がします。しみ込んだ臭気を消臭するよりも、クロスを交換した方が費用が掛からない為です。体液が染みた床などは解体したのち、床下の洗浄を行い、体液が染みている部分に特別コティングなどを施します。

 

ここまでで、消臭作業の前段階が完了です。消臭作業は、特殊清掃業者毎に、独自の薬剤とオゾンを組み合わせ、温度、湿度を巧みに管理しながら作業を進めていきます。

 

消臭作業を2~3日行い、作業完了です。

 

弊社のお客様のなかに、自分で掃除できると判断し、孤独死現場を知識無く清掃したがために体調を崩されてしまった方がいました。そのような方を減らすためにも、特別清掃は過酷で感染症のリスクが高いのでプロに任せるべき、という認知を広げていきたいと思っています。

 

 

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※本記事は特掃隊HP内コンテンツ「HOW TO コラム」より一部を抜粋・再編集したものです。

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